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2023年5月30日3 分

ARコンテンツの妄想イメージ:商業施設の XR武装 ④

【内容】

1.裏ショップの可能性

2.リアルを起点にしたイメージ拡張

1.裏ショップの可能性

AR技術を活用すれば、「リアル店舗はどのように魅力化できるのか?」について、(株)エイベックスでプロデューサーを務める中前省吾氏に伺ったことがあります。

彼は「アンダーグラウンド東京」というコンセプトで、「多彩な裏ショップ」を説明してくれました。

  1. 100円ショップの裏では、100万円以上の高級品を販売するなど、「正反対のモノを売る裏ショップ」が、考えられます。

  2. リアル店舗は、小さい規模だけれど、裏空間では、膨大な在庫数を誇るマニアックな専門店など、「リアル店舗からは想像もつかない裏ショップ」も面白いと思います。

  3. 個別のリアル商品を起点にして、「スポーツメーカーが作るドレスシューズ」や、ファストフード店の裏での高級メニューなど、「真逆のブランディング」も可能になります。

  4. ロゴやモチーフが、上下左右で反転していたり、アイスショップでホットクレープなど「ギャップを楽しむオリジネル商品」の販売も考えられます。

その他、個別のイベントでも、地下駐車場を活用した「ARイベントの開催」や、リアルなライブペイントの裏側で、「リアルタイムに作品の中に入り込めたり」、リアルな街なかのオブジェを起点にした「オンラインゲーム」などのアイディアも有りました。

居酒屋などが、常連にだけ提供する「裏メニュー」感覚で、いろいろなアソビやコミュニケーションを展開する「AR裏ショップ」「AR体験コンテンツ」が可能になるという事です。

2.リアルを起点にしたイメージ拡張

もちろん「裏」だけでなく、「表」の商品の販売促進にもAR技術は有効です。

オンライン上には、星の数ほどのショップと商品が、溢れかえっています。

それぞれの商品が、パソコンやスマホの画面上で、横一線に並びながら、デザインや素材、製造プロセス、作り手の想いやストーリーを競っているのです。

WEB画面上だけで、差別化していくことは不可能ではないでしょうか。

3つ程度の選択肢は有効ですが、20種類の中から選択することは、ストレスになり「選択疲れ」と揶揄されています。

選択肢が増えすぎると、人は保守的な選択をすると言われ、結局は宣伝広告費をかけ露出量を増やせる大企業の商品や、「売上No. 1」「人気No. 1」などの既存の評価が定着した商品が購買され、宣伝費ばかりを膨張させる競争になります。

このような無限競争を回避するためにも、「オリジナリティのあるリアルな場所」を起点にして、 「AR技術によるイメージ拡張」が有効ではないでしょうか。

例えば、コスメの場合であれば、「渋谷×クレープ店=カワイイ系」「丸の内×パウダールーム=オーガニック系」「銀座×ギャラリー=アート系」などの棲み分けをした上で、自社商品をアピールすることが考えられます。

リアル店舗だけでも、 Eコマースだけでもない、「第三の道:リアル店舗のAR拡張」の可能性を感じます。