松岡 一久

2017年3月27日2 分

「不」動産から「可」動産へ

最終更新: 2018年2月5日

先日、ある研究会で都市に「動き」の要素を持ち込んではどうか?という提案がありました。

そのイメージは建物が線路上に並んで動くというもので最初は何のことかわかりませんでしたが、このような位置づけにすることによってそこでの活動を非常に軽やか検討・推進できるというのです。

「ちょっとやってみる」「試してみる」というふうに上手くいかねければ止めれば良い。

そんな感覚で始められる事が大切だと言います。

都市開発などの不動産事業は関わる金額が大きい為、どうしてもその事業の決断にも、建設にも、とにかく始めるまでに時間がかかり、ビジネスサイクルが間に合わない場合が多くなります。

「1〜2日のイベントと本格建設との中間的な事業」例えば3ヶ月ほどの季節限定ショップ&レストラン、展覧会・エキジビション、各種広告・プロモーション、技術的な実証実験や社会実験などいろいろな活用が考えられます。

場合によってはプロジェクトルーム的な業務スペースやアーティスト・イン・レジデンスなどの活動拠点にも利用できそうです。

ITビジネスがまず「β版サービス」を提供し、ユーザーの反応を見ながら修正し、精度を高めて「本格サービス」を行こうするのと同じスタンスです。

このように街のニーズに対応した様々なファシリティを「作ってみる」ことができると、街が非常に活動的で変化と刺激に満ちた環境になります。

まさに「劇場都市」ですね。従来の不動産として「永続性のある、確かなモノ」だけでなく「気軽に試してみる」感覚の可動産的な事業の受け皿づくりこそ、時代の求める都市環境ではないかと思いました。