松岡 一久

2017年5月8日2 分

FIACSの目指すモノ①

最終更新: 2018年2月5日

私たちが事務局を担っている国際文化都市整備機構(FIACS)が目指すべきモノを模索しています。

もちろん都市開発プロジェクトにおける「ソフトとハードの連携による効用」については会員の皆さんも実感していただいているのですが、これまではどのような目標を設定するべきかが、いささか不明瞭だった気がします。

それがやっと「超成熟社会ニッポンにおいて真に魅力(国際競争力)のある都市づくり」であるとの結論に至りました。

東京を世界一の都市づくりやアジアの金融首都に返り咲かせるなどの構想もありますが、この20年の間に日本のGDPは5兆ドル弱で停滞しているのに対し、米国は16兆ドル、中国も11兆ドルに達し更に拡大しているのが実情です。

この流れを再逆転させることは困難と考えるべきだと思います。

しかも生産年齢人口は2030年には2010年比で17%減少します。

単純計算ではそれに対応したオフィス床需要が減少すると考えるのが妥当です。

しかし「戦略的に」都市再生地域を設定して新たな都市開発が全国で推進されていきますので、まさに都市開発は「プロジェクト淘汰の時代」になると考えます。

そんな中で外国企業誘致を積極的に実践していくのに、コンシェルジェや託児スペースなどだけでは不十分なことは明らかです。

経済規模や成長性とは異なる超成熟社会ニッポンならではの「新しい国際競争力」を見極め、強化していくことが急務ではないでしょうか。

次回以降、ニッポンの競争力について検討していきます。