松岡 一久

2017年4月17日2 分

日本のオルタナティブ・力

最終更新: 2018年2月5日

先日、イギリスの不動産投資会社の知人と話していると「東京への投資魅力」という件で、経済成長力に乏しく、アメリカなどに比べ魅力が無いかというとそうでもなく、彼の顧客の中国人富裕層からすると「もちろんバリバリと運用する場合はアメリカだけれど、東京の方が地理的にも至近だし、日本(=東洋)文化への興味と親近感とも相まって、東京に投資したい」という人が結構いるのだと言います。

そういえば以前 一橋大の楠木建教授の話にも、アジアからの一橋MBAにもアメリカ留学ばかりではなく、人とは少し違う路線で行きたい学生に人気だと言われていました。

「みんな日本の漫画や日本文化にどっぷりと浸かっているし、環境が美しいこと、治安が良いこと、宗教にも寛容なことなどが魅力になっている。

きちんとした中身の教育を共通言語で提供できれば、教育のディスティネーションとしてポテンシャルは結構高いのではないか」と言われていました。

さらに経済や学術国際会議でも前後に関西地方での禅体験などの旅行期間をしっかりと盛り込んでいる例が多いと言います。

アメリカやシンガポールはお金があれば楽しめるけれど、日本にはお金で買えないものがいろいろあって、そこに魅力を感じているようです。

このように「経済成長、規模、スピード」などの定量指標だけで競う場合には、東京(日本)の優位性はそれほど高く無いけれど、より長期的、精神的、文化的な定性指標を加えると、魅力があるということです。

特に教育(モノづくりを含む)や医療(療養)などの分野では有効なのだと思います。

東京(日本)のオルタナティブ・力を再認識し、アピールしていくことが次世代競争力になるのだと思いました。