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2023年2月13日2 分

住まい方の提案:ソーシャルアパート:シン健康まちづくり ⑤

【内容】

  1. ノビシロハウスの奇跡

  2. ソーシャルアパートの可能性

1.ノビシロハウスの奇跡

健康まちづくりの基本になる「住まい方」を考える上で、参考になる施設が、神奈川県藤沢市にある「ノビシロハウス」です。

小田急線六会日大前駅から徒歩7分にある民間の賃貸集合住宅ですが、高齢者と若者とがともに暮らすソーシャルアパートとして話題なのです。

住居棟の1階4室には高齢者が入居し、2階には家賃半減でソーシャルワーカーが、入居しています。隣接する店舗・事務所等は1階にカフェ&ランドリー、2階は訪問介護センター・クリニックという構成になっています。

現在大学生などが、ソーシャルワーカーとして、月に一度のお茶会開催や、毎朝の挨拶ルールなど、お年寄りの「見守り」を条件に家賃を減免して入居しています。

「彼らの家賃が安くなるのは、高齢者がその分を負担してくれるから」というロジックが、一方的にお世話される社会弱者という立場ではなく、フラットな関係が築けている秘訣と言われます。

ソーシャルワーカーに全て任せてしまうと、何かあった時の責任が大きすぎるため、IOTセンサーや顔認証カメラの設置などのデジタルの仕組みで、見守りの不完全さが補完されています。

加えて店舗では、カフェで販売するコーヒーのラベル貼りや、併設するランドリーでの家事代行など、高齢者に仕事を提供する役割も担っています。

「ノビシロハウス」の名前には、「いつまでもノビノビと暮らしてほしい」「何歳になっても、人生にノビシロがある」という意味が込められていると言います。

2.ソーシャルアパートの可能性

ノビシロハウスには、全国の事業者及び自治体からの視察申込みが絶えないと言います。

  1. 高齢者が少し負担して、見守り役のソーシャルワーカーの家賃を減免することで、フラットな関係づくりの仕組み

  2. ソーシャルワーカーとの人的な交流・見守りと、それを補完するデジタルの仕組み

  3. 高齢者が簡単な仕事に携わり、社会参加できる店舗の仕組み

など、単に多世代同居しているだけでなく、高齢者とソーシャルワーカー(若者)とが共に、「支え合う」ことを仕組み化しており、非常によくできたモデルだと思います。

このように健康まちづくりの基盤となる住まい方モデルを担える施設には、公的な助成があって然るべきだと考えます。

このような関係創出型のソーシャルアパートが、全国に普及する事が望まれているのではないでしょうか。