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2021年8月30日2 分

都市づくり5.0 Beyondコロナの都市づくり50のヒント(34) 「街まるごと〇〇」見立て

Ⅰハロウィーンの日本らしさ /Ⅱ 街を見立てる /Ⅲ 街見立ての効用

Ⅰハロウィーンの日本らしさ

近年ハロウィーンが急速に盛り上がってきました。市場規模は約1200億円(2019年日本記念日協会)とバレンタインを抜き、7000億円市場のクリスマスに次ぐ規模に成長しています。ハロウィーンの魅力は何と言っても「仮装」で、一種の変身と言えます。 東京渋谷や大阪道頓堀は仮装した若者たちで溢れ街丸ごと仮装パーティ状態です。普段の自分ではない非日常感を楽しみ、SNS 受けも含めて仲間と一緒に騒げるところが、好評な要因のようです。

日本人は普段は恥ずかしがり屋で控え目で礼儀正しいという印象がありますが、新橋で酔っ払ったサラリーマンの変節ぶりがよくニュースになるように、抑圧され鬱積したストレスが、酒の力を借りて一遍に噴出させることがあります。ハロウィーンもこれに似た現象と感じるのは私だけでしょうか。

ただし、これは何も現代に限ったことではなく、日本では伝統的に「ガス抜き」の仕組みがあったのです。昔の村祭りの仕切り役は、毎年持ち回りになっていました。20軒あれば20年に一度順番が回ってくるわけです。これは収入に関係なく、その祭りについては責任者として、上座につけるということです。普段は庄屋さんに頭が上がらなくても、その祭りに関しては仕切って指図ができるわけです。また祭りの夜に限っては自由な男女交際も認められたといいます。閉鎖的なコミュニティの村社会に設けられた巧みなガス抜きの仕組みだと考えます。

巨大な人工物に固められ自己裁量感が乏しい現代都市では、非日常空間を設定することによるガス抜きは極めて重要で、もっと積極的に仕組み化していく必要があると考えます。

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