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2021年9月3日2 分

都市づくり5.0 Beyondコロナの都市づくり50のヒント(36) みんなの屋上庭園

Ⅰ 屋上の可能性 Ⅱ 屋上庭園の考え方 Ⅲ みんなの屋上庭園の効用

Ⅰ 屋上の可能性

普段は目にしませんが、都市部に大きく広がっている「余地」が屋上です。近年は屋上緑化が推奨され、実績調査では2017年に整備された屋上緑化面積は約27.6ha(全国屋上緑化施工実績調査:国交省)に上っています。三越伊勢丹の新宿アイ・ガーデンや東急プラザ表参道のおもはらの森が代表例ですが、商業施設の屋上は以前のような「ミニ遊園地」ではなく、都市のオアシスを標榜する「屋上庭園」として整備される事が多くなりました。また渋谷スクランブルスクエアに整備された「シブヤ・スカイ」は、庭園ではありませんがオープンエアの展望台で、これまでにない体験空間を提供し、各種動画にも取り上げられ話題になりました。このように屋上緑化を一歩進めた屋上庭園として整備し、事業価値を高めようという開発が増えてきています。

東京23区の屋上の総面積は4,917ha(東京23区における屋根面積の実態把握と屋上緑化可能面積の推計:2004)という膨大な数字になります。これは耐火構造・陸屋根を条件に算定されており、屋上緑化によって江戸川区(4,990ha)の面積に匹敵する緑を、創出することが可能だということです。

屋上を緑化することにより、緑化土壌の断熱作用や植物自体が日射を遮ることによる、屋内の温度上昇抑制や省エネ効果だけでなく、植物の蒸散作用によって屋外空間の温度上昇を緩和する効果も期待できます。このような環境面の効果に加えて、コロナ禍に伴うアウトドアライフ志向に対応し、のんびり集う、仕事場として使う、BBQや食事する、ワークショップをする、ギャラリーを作るなど様々なアクティビティが想定されます。

大規模な公園緑地を整備する余地の少ない大都市において、屋上は身近かつ貴重なグリーン・フロンティアと言えるのです。

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