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2021年6月16日2 分

都市づくり5.0 Beyondコロナの都市づくり50のヒント(2) ONLY ONEの都市魅力づくり

最終更新: 2021年7月26日

Ⅰ「選べる生活、選ばれる街」の時代へ/ Ⅱ (1/100)3乗戦略 / Ⅲ ONLY ONEの都市魅力づくり

Ⅰ 「選べる生活、選ばれる街」の時代へ

世界中を混乱に陥れているコロナ禍ですが、密状態や接触回避の必要性からリモートワークの普及という副産物を提供しました。これまでは都心の会社の立地を中心とした「通勤利便主義」で住む家・街が検討されてきましたが、この通例が覆されようとしているのです。フルリモートへのシフトは難しくても週2〜3日の出社と在宅勤務とを併用するハイブリッド通勤が現実的になり、会議もオンライン開催が主流になった結果、クリエイティブな人材ほど日々の通勤列車から解放され、自分のライフスタイルに合わせた家と街とを選択する可能が高くなりました。「選べる生活、選ばれる街」の時代になったのです。超成熟社会ニッポンではほとんどの街で人口減少と高齢化が進行し、住民(さらには企業)の獲得・誘致競争が激化していくと想定されます。これまでは都心からの交通利便性をヒエラルキーとして選ばれてきたのですが、移動・集積の価値がシフトし「リアルな都市の価値とは何か?」が問い直されるようになります。コンビニエンスストアとネットショッピングの普及で、一定の水準で担保される生活利便性(充足力)だけではない自立した街の魅力(突出力・ ONLY ONE力)が問われる時代になるのです。

従来は東京都心部を頂点として交通利便性、ビジネス利便性、経済規模・集積性で競い合い、より優秀な人材・企業の誘致合戦を繰り広げてきました。それは経済合理性という一つの指標で算出された「偏差値」と同じで、100メートル競走のように一位から順番にランキングがついていく競走といえます。都市開発ビジネスにおいて後発の競争相手は先行事例を詳細に研究し、より大きな集積に最新の機能・スペックの設備を計画してくるため「常に後出しジャンケン状態」で、最新の都市開発エリアが高い人気を獲得する状況が続いてきました。

コロナ禍が生み出した「通勤利便主義からの解放」は、この100メートル競走的な価値観からシフトし、各々の街がその突出した魅力で「選ばれる街」を目指す時代への進化を意味します。逆にいえば「ONLY ONEの都市魅力」を持たない街は、「選ばれない街」になる可能性が高まる時代になったといえます。

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