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2021年11月5日2 分

都市クオリア指標の高め方③ 「ヘルスケア機能」による多様性拡張

健康・医療系のヘルスケア機能は都市の基盤として安心を担保していますが、都市ユーザーの幸せ実感を向上させる舞台としても有効に活用することが可能です。

ランニングステーションやアウトドアフィットネス施設などは、公園などを中心に街の中で運動する人たちを増やし、街に活気を与えます。さらにアウトドアフィットネスの第一人者「BEACH TOWN」代表の黒野さんは「ランニングやパークヨガの舞台となる街を安全・清潔に維持する為に、住民への挨拶やゴミ拾いなどを始め、街に積極的にコミットするようにしている」とコメントしています。いつも決まった時間に顔を合わすモノ同士が、顔見知りになり挨拶から会話を交わすようになる効用も期待できます。神社への参拝、犬の散歩、朝のランニングなどルーティンが設定できると街を身近に感じる機会になるのではないでしょうか。

医療施設では「北原国際病院」のように、患者やその家族をはじめ街の人に、積極的に病院内の運営支援に関わって貰おうという事例があります。運営支援で得たポイントは入院時のサービスのアップグレードとして還元されるのですが、この活動にはポイント以上の効用があるのです。北原理事長は「脳疾患で突然倒れて病院に運び込まれても、その病院の様子やスタッフのことが予め解っていれば、精神的な負担がずいぶん軽減する。それに退院後のリハビリ支援の練習にもなる。」とコメントされていました。日常生活の中ではブラックボックスのように見られがちな病院や患者との接点が増えることは、人生の不安を軽減すると同時に視野を広げる機会になるのではないでしょうか。

【ヘルスケア機能による多様性拡張:日常生活の様々な活動シーンにおける接点づくり】