top of page
検索

「ホテル」に見立てる:文化施設PPP ⑥

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2023年5月12日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. ユニークベニューとしての美術館

  2. 「ホテル」と言うブランディング

  3. ミュージアム・ホテル化



1.ユニークベニューとしての美術館

「ユニークベニュー」というのは、直訳すると「特別感のある会場」となります。

国際会議などを誘致するMICE事業では、「(海外から)ワザワザ参加する価値のある会場」という意味で使用され、重要視されるキイワードです。

大英博物館などは、エントランスやホールを、企業イベントやレセプション、パーティなどの会場として貸し出され、有力なユニークベニューとして、ロンドンのMICE 事業の強化に役立っています。

日本のミュージアムも、高質な建築空間として整備されている事が多く、次世代の活用法の参考になると考えます。

国際的なMICE事業は特別だとしても、ミュージアムの「特別感のある環境」を踏まえて、快適性や滞留性を付加することによって、「ワザワザ訪れ過ごしたくなる場所:ホテル」と見立てることが可能ではないでしょうか。


2.「ホテル」というブランディング

「ホテル」の語感は、快適な環境とホスピタリティ、そしてステイタスをイメージさせます。

「ホテル」のレストランであれば、「美味しい料理と上質なサービス」が提供され、「ホテル」のロビー・待合スペースであれば、「快適な環境と洒落たコミュニティ」が期待されます、

知人のブライダル事業会社は、ブライダル会場に数室の客室を設け、「〇〇ホテル」としてブランディングすることで、ステイタスを高め、類似施設よりも客単価を向上させました。

多くのミュージアムは、都市公園の緑に囲まれ自立した環境に立地しています。

ワザワザ、公園の中のミュージアムを訪れるのであれば、食事も楽しみたいし、快適に休憩できるような「複合ワンストップ体験」が求められます。

ミュージアムに併設して、レストラン・カフェ、集会(ブライダル)施設に少数の客室を整備し、「ホテル」としてブランディングすると、ミュージアムへの来場動機が広がり、来場者数も増加するのではないでしょうか。


3.ミュージアム・ホテル化

このような前提で、「ミュージアム」と「ホテル」との連動を図るのです。

例えばミュージアムのホール部分をホテル・ロビーと共用するのです

ベンチマークとして、京都河原町の浄教寺における「寺院共存ホテル:三井ガーデンホテル」が挙げられます。

ミュージアムや公園の環境を生かしたパーティやブライダル利用は、運営者にとって魅力的ですし、ミュージアムをコンセプトにした客室ブランディングも有効だと考えます。

客室は少なくても、「ホテル」としてブランディングされることで、客単価も上がります。

これまで、特別な展覧会でなければ訪れないミュージアムが、ブライダルはもちろん、上質な会議。レセプションの場として利用されるようになります。


ミュージアム変革の方策として、「ホテル」見立ては、非常に有効ではないでしょうか。


 
 
 

最新記事

すべて表示
事業価値 マインド・メイキング ⑨ -「共感」を経済のエンジンに変える都市開発モデル-

【内容】 第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ 第2章 3つの収益ドライバー:会員・推し活・ブランド価値 第3章 共感が循環する持続型都市経済モデルへ   第1章 共感を中心に据えた新しい経済構造へ これまでの都市開発は、テナント収益や物販売上など、従来型の商業収益を基盤としてきました。しかし、成熟社会において人々の消費行動は大きく変化しています。 物やサービスを「便利だから」「安いから」で

 
 
 
方策3:時間プログラムの設計思想:マインド・メイキング ⑧ - 季節とともに生きる都市のリズム -

【内容】 第1章 時間の流れをデザインするという発想 第2章 季節と共に育つプログラムの仕組み 第3章 「再来訪」が生み出す都市の持続可能性     第1章 時間の流れをデザインするという発想 マインド・メイキングの考え方では、建物や空間の形だけでなく、「時間の流れ」そのものをデザインすることが大切だと考えます。 都市や施設は、一度完成したら終わりではなく、人々が訪れ、過ごし、また戻ってくることで

 
 
 
方策2:体験導線の設計 マインド・メイキング ⑦ -「気づき→学ぶ→行動→推す」が生み出す共感の循環-

【内容】 第1章 体験を通じて理念を“生きた価値”にする 第2章 「気づき→学ぶ→行動→推す」の四段階の意味 第3章 共感の循環が生み出す都市の新しい力     第1章 体験を通じて理念を“生きた価値”にする 現代の都市や施設では、どれほど立派な理念を掲げても、人々の心に届かないことがあります。 その理由は、理念が「読むもの」や「見るもの」にとどまり、実際に“体験する”形に変換されていないからです

 
 
 

コメント


bottom of page