【内容】
2032年「築地」アップデート
実商売のアップデート
「築技」コンテンツのオンライン発信
1.2032年「築地」アップデート
「築技を活かした食体験」をコンテンツ化することで、老舗専門店を活性化しながら、賑わい時間を延長できれば、築地再開発が開業する2032年には、「築地」は他にはない魅力的な街になっていると考えます。
それこそ、当初に構想されていた「シン・食のテーマパーク」だと言えます。
さらに一歩進めて、「築技」を活かした「食のイノベーションラボ」作りを試みてはどうでしょうか。
築地再開発には、ライフサイエンスに関するイノベーション施設が計画されています。
これと連動する形で、「築技」に潜む「暗黙知」を「形式知」に変換して、蓄積していくことが有効です。
もちろん、属人的で体系的になっていない為、「形式知」化していく事は大変かもしれませんが、日本の食文化を支える貴重な技術であり、次世代に継承していくためにも試みる価値はあると思います。
「日本の食のデータベース」として食文化の向上に貢献するとともに、将来開発される「食のAI」や「調理ロボットのレシピデータ」への転換も有効だと考えます。
2.実商売のアップデート
これからの「実商売」には、アップルストアの様に、フラッグシップ&ネットショップの仕組みを取り入れる必要があると考えます。
日本のEC化率(BtoC)を見てみると、2022年度はコロナ禍を経て伸びているものの全体では約9.13%で、20%を超える米国や中国の1/3程度しかありません。
書籍・音楽(52%)、家電(42%)や生活雑貨・家具(29%)など高い分野もありますが、【食品は4%強】に止まっています。
「食品」は消費期限や配送コストの問題から、Eコマースにシフトしにくい分野と指摘されていますが、 EC化の伸び率では、9,15%で全分野のトップになり、急速な EC化が確認できます。
京都の錦市場は共通 Eコマースを備えています。
「築地」の場合も、実商売では「商品」を売るのではなく、「築技」というコンテンツを体験してもらうことで、ファンになってもらい、「築技Eコマース」に誘導することで、継続購入してもらう仕組みを開発していく必要があると考えます。
3.「築技」コンテンツのオンライン発信
コロナ禍を経て飲食業態を中心に都心商業が苦境に立たされています。
単に美味しい料理を準備してお客を待っているだけでは難しく、ワザワザ外出して足を向けてくれるお客を作っていく必要のある「創客・誘客の時代」になった認識すべきです。
カフェカンパニー代表の楠本さんは、「一店舗だけ、或いは飲食店だけではなく、飲食業をアートやテクノロジーを含めた、都市のコンテンツとして考える必要がある」と指摘されました。
そんな状況を踏まえて「築技リーグ」を提案します。
複数の飲食・物販店がチームを作り、チーム同士がリーグ戦方式で料理対決していくのです。
各チームの料理人数人を代表として、キッチンスタジオなどで季節の食材やテーマをもとに料理対決するのです。
これをリーグ戦形式で繰り返しYou Tube配信を続けるわけです。「〇〇小路」VS「〇〇横丁」という具合です。
トーナメント戦ではなくリーグ戦方式にすることで、プロ野球や Jリーグのように長期的・定期的に料理対決(=コンテンツ)を提供していくことが可能です。
このコンテンツの継続的な配信を通じて、ファン・コミュニティが育まれるのではないでしょうか?
プロ野球や Jリーグなどが、プレイヤー個人としてだけでは支援者が見つからなくても、同好の士が集まってチームを作り、役割分担しながら戦いを繰り返すから、ファンが育まれます。
そしてリーグ戦での奮闘・活躍をフックにして、個店の店主や料理人、商材やメニューにも目が向くようになるのではないでしょうか。
その上であればレシピ公開やオンライン料理教室、料理人の個性や趣味の発信、さらにはファンミーテングも有効になり、個店への創客・誘客につながります。
都市文化の未来は、コンテンツ発信にありと考えます。「築地」は、未来のリーディングタウンになります。
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