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【方策3】データマネジメント 多次元開発 ⑦

【内容】

  1. リアルな顧客接点ニーズ

  2. 顧客接点の事業化

  3. ソシオマーケットプレイスへ

 

 

 

1.リアルな顧客接点ニーズ

今や買い物行動の主流になりつつあるネットショッピングですが、開発・製造・販売を行うD2Cメーカーが、オンライン上に数十万社もひしめき合っている状況です。 

各社共に様々な工夫を凝らしていますが、オンライン情報だけで商品のコンセプト・ストーリーを差別化することは困難で、「一番の課題は集客だ」と言われています。

商業施設 DXのトップランナーであるパルコ幹部によると、「最も顧客獲得率が高い方法はSCへの出店」になるようで、オンライン1stを前提に話題づくりやリアルな顧客接点機会を図る方法として、SC内にポップアップストアを出店するケースが増えていると言います。

Web広告料が高騰する中で、コスパの良い集客手法として、リアルな顧客接点の有効性が高まっているという事です。

リアル商業施設・店舗での売り上げが伸び悩む状況で、 D2Cメーカーに対するリアルな顧客接点として、価値提供できるのではないでしょうか。

 

2.顧客接点の事業化

分かりやすい顧客接点の仕組みとして、施設全体を「b8ta化」してはどうでしょうか?

お客さまとフランクに接し、その反応をセンサーなどで観察・記録できれば、非常に多くのデータを収集することが可能です。

もちろんネットショッピングでの購買も可能で、ショウケース形式でD2Cメーカーの商品が並ぶと共に、流動客にフックになるような仕掛けが有効です。

単に通路のようなスペースに、展示するハコを用意するだけでなく、滞留できる広場環境と、カベやミチ(マチ)との連携による誘導・没入感が重要です。

カベを生かしたサイネージや、ミチを活用した映像(プロジェクション・マッピング)の工夫など、従来の商業環境とは異なる空間演出をしていく必要があります。

リアル顧客接点の事業性を検討する上では「b8ta」:40cm×40cm/月額30万円、「蔦屋家電」:4m×4m /1週間200万円などが参考になります。

「b8ta」の事例を、単純に売場効率換算すると、410万円/月・坪に上ります。

別の事業試算をするにはWeb広告に準じた想定も可能です。

Web広告では

  1. インプレッション課金(表示回数当たり1円程度)

  2. クリック課金(クリック当たり10円〜数千円程度)

  3. コンバージョン課金(資料請求・購入成果当たり数百円〜数万円)

という課金の段階構成が定着しています。

この構造をなぞると

  1. インプレッション課金に相当する「店前通過客数」

  2. クリック課金に相当する「体験者数」

  3. コンバージョン課金に相当する「ID獲得数」

などの価値を評価・換算する指標を創出し、効果測定と対価を共有していく必要があります。

例えば来街客10万人の施設に100ブース準備する想定であれば、その10%が「店前通過客=1円」、そのうちの10%が「体験者数=100円」その10%が「ID獲得数=1000円」として試算すると、1日当たり2000万円超、年間約70億円の収益になります。

もちろん目論見通りは、難しいかもしれませんが、このような指標が設定できれば、「体験者数」を増やす工夫や、施設での「滞留時間」を長くしてもらう工夫などの戦略が立てやすくなります。

 

3.ソシオマーケットプレイスへ

超成熟社会化に伴う人々の承認欲求の高まりは、もはや消費だけでは満たされなくなっています。

西野亮廣氏が「作り上げた料理を提供するレストラン型から、様々な食材を自分好みに料理して楽しむバーベキュー型が価値を持つ時代になっている。お客さんに質の高い発信をさせてあげられることがエンタメになる」と言うように【共創価値:プロセスエコノミー】の時代の到来です。

ここで提案する「ソシオ・マーケット」のソシオとは、FCバルセロナの例が有名ですが、構成員すなわちファンから一歩進めた株主的な参画者を意味します。

ここではソシオを単なるユーザー(消費者)としてだけではなく、共創プレイヤーの立場でもコミットしてもらえる存在と定義します。

ソシオが質の高い発信をしていくテーマは色々考えられますが、例えば 「みんなで創るneoライフ・ミュージアム」はどうでしょうか?

次世代の衣食住遊(neoライフ)に関わるさまざまな生活関連商品やサービスを選び、開発していくプロセスを共創する場と機会を提供します。

その選び方、共創開発するプロセスを料理対決やアーティスト・コラボなどの手法でエンタテイメント化し、YouTubeなどでオンライン発信していきます。

もちろん適正立地は限定的になると考えられますが、次世代の生活文化を選び、開発・表現するライブ会場であり、厳選された商品・サービスがアーカイブされたミュージアムでもある【ライフスタイル・コンテンツの受発信拠点】になります。

現状でこのコンセプトに最も近いモデル施設は若者ターゲットのファッションメディアとしてのポジショニングを確立しつつある「渋谷109」でしょうか。

館内にはショップだけでなく、ラボやフードプラント、ライブスタジオ等があり、販売だけでなく、メーカーとのタイアップや商品開発などのビジネス展開も進められています。

世界一厳しいと言われる日本の消費者に選ばれ、磨き上げられた商品・サービスが口コミ付きでオンライン上に発信・流通していきます。

玉石混交のオンライン上に圧倒的な品質と話題性とを備えた「neoライフ・グッズ&サービスを紹介・提供していくプラットフォーム」が形成されることになります。

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