【内容】
1.お祭り準備力
2.お祭りの価値経済
3.優しい生活舞台づくり
1.お祭り準備力
お祭りは、単独で存在するのではなく、「コミュニティの益・不益」「巻き込む由縁」「反・日常の演出」が、セットになった「コミュニティのガス抜き&蘇生装置」だと言えます。
未来社会においても、何らかのコミュニティが存在する限り、お祭りの役割が無くなる事はありません。
そして、「お祭り」の立ち上げや準備は、基本的に苦労だらけ、面倒だらけです。
だからこそ、「お祭り」のメリットは「同じ志を持った人と繋がれる」ということになります。
お祭りの準備の苦労、面倒は、災害とは違って「ポジティブ」で、人がつながるキッカケとして、「お祭り」程よいものはないと言えます。
「協力せざるを得ない状況」が、協力関係をつくります。
「お祭りの準備」こそが、コミュニティの絆を強めるのです。
「お祭りの準備力」と言えます。
人は誰しも何らかのコミュニティに帰属したいという欲求を持っています。
そして昔と比べ物にならないくらい、コミュニティを手軽に作れる時代、選べる時代になっています。
いろいろなことが、「素人&手作り」でやれる時代になって、昔に比べて、「やる人・地域」と「やらない人・地域」との格差が、どんどん開いて行くのではないしょうか。
2.お祭りの価値経済
現代都市は何でも、手に入るように見えながら、極めて現世的・物質的な分野に限られ、いわゆる「動脈系の価値提供」に、偏っていることがわかります。
都市における「お祭り」は神社・お寺とともに、「静脈系の価値提供」を担うインフラとして極めて高い潜在性を秘めていると考えます。
「共感できるテーマを核にした幅広い収益」と、「達成感とシェア思考によるコスト削減」とに、支えられるお祭りの運営活動から生まれるのは、静脈系の(エコ)システムです。
「利益・経済」を媒体とした動脈系のシステムでは、提供できないメリットとして、個人的には新しい関係性と自己表現の場(居場所と出番)として機能します。
静脈系の価値提供インフラは、従来の利益追求型ではなく共感・共創型で、サスティナビリティやステイクホルダー重視の時代動向にも整合します。
ビジネス思考では、賄えない活動を補完するとともに、ギスギスしてしまいがちな人間関係の潤滑剤としての役割を担います。
そこで生まれる上質な人間関係は、企業が共創やプロモーション活動をする際の舞台やパートナーとして極めて貴重な存在になると考えます。
3.優しい生活舞台づくり
「お祭り」が定着すると、コミュニティに対して「終の住処」として定住意識が芽生えるのではないでしょうか。
「静脈系インフラ」を中心とした活動や交流を通じて「終の住処」という認識が共有されれば、欧州の都市居住における教会コミュニティを現代的にアレンジした形で、都市に対してコミットし、愛着が高まっていくと考えます。
様々な共感テーマで人が集まり、直接的な GDPには繋がらないかもしれませんが、静脈系のエコシステムが生まれます。
経済一色や消費者至上主義ではなく、軽やかな自由だけでなく、ちょうど良い鬱陶しさがある、そんな「優しい生活舞台としての都市」づくりに繋がるのではないでしょうか。
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