【内容】
サードプレイスとは
サードプレイスの8条件
日本型サードプレイスの再定義の必要性
1.サードプレイスとは
「サードプレイス」は、アメリカの社会学者のレイ・オルデンバーグが、都市の魅力を高める要素として提唱した概念です。
オルデンバーグは、
「都市には、都市居住者にとって、生活する上で欠かせないファーストプレイス(家)、セカンドプレイス(職場)に加えて、居心地のよい第三の居場所「サードプレイス」が必要で、そのあり方が、都市の魅力を左右する」
と提唱しました。
ファストフードに代表される、当時のアメリカに定着していた飲食スタイルに対して、フランスのカフェやイギリスのパブを引き合いにして、「ゆとり、活気、コミュニティ」の必要性を指摘したのです。
2.サードプレイスの8条件
サードプレイスとは、パブリック空間でありながら、インフォーマルな雰囲気を、備えた場所がイメージされます。
一般的には、飲食を伴うことで、気楽な雰囲気と適度にリラックスした気分とを醸成した施設や業態になっている事が多いようです。
オルデンバーグは、著書「The Great Good Place」において、サードプレイスを提唱しましたが、その後も研究を続け、サードプレイスの条件として、次の8つを挙げています。
中立地帯:「個人が想いのままに出入りでき、もてなすことを要求されず、全員が心地よく寛ぐことができる」と有り、肩書など関係なく、個人として気兼ねなく利用できることが重要です。
平等:「会員などのアクセスに制限がなく、あまねく人々が入ることができる」つまり、会員制でないことは当然ですが、ターゲットをあまり絞り込まない場づくりが必要だと言うことです。
会話中心:「会話が楽しく、活気に満ちている」日常的に会話され、話しかけやすい雰囲気が求められています。
アクセス性:「アクセスしやすく、中にいる人々が協調的である」 建物の上層階ではなく、人目に付く一階にあることが必要なようです。
常連:「常に[新参者]を快く受け容れる[常連]がいて、いつも心地よい空気をつくる」コミュニティ運営で最も難しい「開かれたコミュニティ」を意識できる優しい常連が必要とされています。
控えめな外観:「日常に溶け込む簡素な外観デザイン」 オシャレな外観ではなく、気軽に立ち寄れるデザインが求められています。
遊び心:「明るく遊び場的な雰囲気を持っている」 禁欲的ではなく、遊び心に溢れ、変化して行くことにも寛容な雰囲気が大切ではないでしょうか。
居心地:「もう一つの家、リビング、家族的な存在である」 人、サービス、空間がローカライズ&カスタマイズされた結果の居心地の良さだと考えます。
3.日本型サードプレイスの再定義の必要性
この条件を、現代の日本に当てはめていく事は、かなり無理があると思います。
スターバックス・コーヒーが、「サードプレイス」というコンセプトを日本風にアレンジしたように、「会話中心」「常連」「遊び心」などは、日本の現状を踏まえて、再定義していく必要があるかもしれません。
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