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まちづくりのゴールと対象:まちづくり再考 ②

【内容】

1.まちづくりゴールの再定義

2.まちづくりの計画レイヤーの設定

3.「論語」と「算盤」のバランス思考


1.まちづくりゴールの再定義

①まちづくりには、様々な定義がありますが、事業として進めていくためには、「目指すべき状態」或いは「成果を測る目標」として、定量指標となるゴールを設定する必要があります。

②まちには、オフィス街や商業エリアなど、様々な方向性がありますから、企業数や商業施設面積などの、「構成要素」を指標化する事は、適切ではありません

③私たちは、居住している人でも、働いている人でもなく、「繰り返し訪れる人(=ファン)が多い街が、魅力ある街である」と解釈し、「街のファンを増やす事」をまちづくりのゴールとして提案します。

コロナ禍を経て、「リアルな都市の価値」が問われています。

居住人口や就業人口ではなく、「ファン人口の多い都市」、住宅でもオフィスでもなく、「サードプレイスとしての都市」が求められているのではないでしょうか。


2.まちづくりの計画レイヤーの設定

①まちづくりには、街を支えるインフラ的な計画から、人々の行動の結果となるコミュニティ的な計画まで、様々な計画レイヤーがあります。「街のファンを増やす」ために有効な計画レイヤーを設定する必要があります。

②インフラを整えてビル建設を促す時代ではありませんし、話し合って仲良くなる事が目的でもありません。

私たちは、インフラ・レイヤーとコミュニティ・レイヤーの中間にある「プラットフォームとコンテンツ」を計画レイヤーとして採用し、ファンを増やすための方策を計画していきます。

③コンテンツとは『内容・創作物』を意味しますが、ここでは、『街のアウトプット』と定義します。そしてプラットフォームは、『架台・舞台』の意味ですが、ここでは『コンテンツが自立できる仕組み』を指すことにします。

私たちは、「街が自律的にアウトプットできる仕組みづくり」を計画します。


3.「論語」と「算盤」のバランス思考

①「街のファンを増やす」まちづくりを推進していくためには、人々の共感・協力を得られる「大義」や、人々をワクワクさせる「ビジョン」が、必要だと考えます。

②まちづくりを事業として継続させていくためには、「事業性」や「経済的な枠組み」も不可欠だと考えます。

③まちづくり事業を推進するには、相反する「論語」と「算盤」とをバランスさせる思考が必要です。


私たちは、「街のファン」を増やすために、「コンテンツとプラットフォーム」を対象として、「論語と算盤」をバランスさせて推進していくことが、「まちづくり事業」であると考えます。

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