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アートプロジェクトの定義と種類・現在地:アート街づくり ②

【内容】

  1. アートプロジェクトによる街づくり

  2. アートプロジェクトの分類と方向性



1.アートプロジェクトによる街づくり

アート街づくりの近年の主なトレンドとして、全国的に広がる「アートプロジェクト」があります。

「アートプロジェクト」とは、あえてシンプルに言えば「美術館やギャラリーなどの『外部』で開催されるアート活動」を指します。そして日本型アートプロジェクトの特徴として、「作品展示に留まらず、そのプロセスや様々な関わりを重視する点」が挙げられます。

トリエンナーレ・ブームと呼べる現在の状況の起点になったのは、2000年に始まった「越後妻有 大地の芸術祭」と2001年開催の「ヨコハマトリエンナーレ」と言えます。日本のトリエンナーレは、農山村や離島などの「里山型」と「大都市型」に分類できますが、それぞれこの二つが起点になっています。前者には瀬戸内芸術祭、十和田奥入瀬芸術祭、中之条ビエンナーレが続き、後者の系譜には、あいちトリエンナーレ、札幌国際芸術祭、北九州国際ビエンナーレがあります。

今回の「アート街づくり」では、大都市型のアートプロジェクトにフォーカスします。


2.アートプロジェクトの分類と方向性

都市における地域単位でのアートプロジェクトは、「課題解決型」と「文脈可視化型」に分けられます。

課題解決型の例として、黄金町エリマネセンターや PARADISE AIR(松戸)があり、文脈可視化型では、森美術館のまちと美術館、ACF(府中)などが挙げられます。

またテーマによって「観光×アート」「産業×アート」「福祉×アート」「環境×アート」「教育×アート」などさまざまに類型できます。

日本におけるアートプロジェクトは、政治的にラディカルな市民たちだけではなく、より曖昧な社会的意義を求めるマジョリティに対して、社会参加の機会を働きかけているように思えます。

アートプロジェクトに関連して、「手作業」を呼びかけるという穏やかな手法で、人と人の間に新しいコミュニケーションの回路を生み出しているのです。

既存のコミュニティにこびりついた「しがらみ」を浄化し、それまで無かった新しい繋がりを作ることで、その地域の課題を解決したり、新たな魅力を可視化したり、人々が生きがいを見つけたりすることが、期待されているのでは無いでしょうか。


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