top of page
検索

グランドレベル革命 ⑦ OS方策1:可動産での見世づくり

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年7月18日
  • 読了時間: 3分

街ぎわプレイスにおける表現・交流を促す OS方策としてまず「見世づくり」を検討します。「店」の語源になった「見世」はさまざまな商品を並べる棚を意味します。高知の日曜市やマルシェは魅力的ですが、都心ワーカーのマジョリティが参画するには、ハードルが高すぎます。トラックマーケットはどうでしょうか。「モノ」を介して人と交流することが主目的で利益追求の商業ではないため、開業コストが高い建物内の固定店舗は無理ですが、低コストで運用できるフード&ショップトラックでなら遊・文化系のサービス提供など様々なトライアルが可能ではないでしょうか。

技術革新が進みMaaSと自動運転技術とが定着すると、自動車交通の効率が高まり、道路における移動利用の縮小が想定されます。「道路におけるプレイス化の潮流」です。国交省では「2040年道路の景色が変わる」という構想を提示し、交通量の少ない時間帯を利用して路肩空間(カーブサイド)にフードトラックなどが停車して営業できるようなイメージで利活用が模索されています。これを前提に建物低層部も路面店を計画するようになると、これまでは自動車中心であった幹線道路沿いが、ゆったりした歩道を挟んで建物路面店とフード&ショップトラックが並ぶ賑わい街路に変貌します。利活用時間は限定されますので、固い建物の「不動産」ではなく、変化・移動できる「可動産」と言う新しい事業領域が生まれます。しかも東京都23区の道路面積は「100㎢」と言う膨大な面積で、その5%でも活用できると「5㎢(東京ドーム100個分)の可動産」が生まれます。まさに東京の風景を一変させるインパクトを持つのです。

人通りの大小や季節、時間によって入れ替わり、街に変化と彩りをもたらす非常に魅力的な街づくりアイテムになると考えます。トヨタ自動車が2018年に CES で発表した「e-palette 」は非常にインパクトのあるコンセプトでした。速く移動する自動車ではなく、「可動産」車は自動運転とも相性が良く、生活街路でも対応可能です。

既存のキッチンカーのように「弁当販売」に特化するのではなく、「クラフト(自家製)」をコンセプトに見世を開いてはどうでしょうか。服飾、雑貨やアクセサリーから各種アート作品、工芸品などの移動販売や各種ホビー教室や占いサービス、趣味サークルの発表会などが開けると素敵です。「可動産の見世」は限られたスペースですので、提供サービスも限定的になります。一台だけでは集客力に乏しいかもしれませんが、屋台と同じく5−6台集まるとメニュー・バリエーションが増え存在感を発揮します。街路だけでなく、公園・広場や駐車場で定期的な「可動産」マーケットとして定着すると表現交流を促す OS方策として非常に可能性を感じます。


 
 
 

最新記事

すべて表示
日本バリュー化の効果 日本バリュー都市 ⑩

【内容】 第1章 都市の魅力の可視化と差別化効果 第2章 エンゲージメントと関係人口の拡大効果 第3章 持続的な収益化とデータ循環による進化効果   第1章 都市の魅力の可視化と差別化効果 ブランド価値化の第一に期待できる効果は、都市の魅力が多層的に可視化され、他都市との差別化が明確になる点です。 従来の都市開発では、商業施設や交通利便性といった「機能の充実」が重視されてきましたが、それだけでは長

 
 
 
方策3:“モノより体験”の事業モデル化+データ循環 日本バリュー都市 ⑨

【内容】 第1章 都市開発における「体験価値」へのシフト 第2章 事業モデルと具体施策 第3章 KPIとデータ循環による持続性   第1章 都市開発における「体験価値」へのシフト 近年の都市開発や観光戦略においては、「モノ」中心の消費から「体験」中心の価値提供へと大きく軸足が移りつつあります。 背景には、内閣官房が示した「New Cool Japan Strategy 2024」が掲げる「モノより

 
 
 
方策2:“共体験”ドリブンのプログラム設計 日本バリュー都市 ⑧

【内容】 第1章 都市における「共体験」の意義 第2章 プログラム設計の具体像 第3章 都市に埋め込まれる導線と効果   第1章 都市における「共体験」の意義 現代の都市は、多様な文化や人々が集まり交差する舞台でありながら、その交流が十分に深まらないまま通過的に終わってしまう場面が少なくありません。 商業施設や観光資源は整っていても、それを通じて「人と人が一緒に体験する時間」をどう生み出すかが、都

 
 
 

コメント


bottom of page