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コミュニティの特性・構造 共創から競創へ ③

【内容】

  1. コミュニティづくりのポイント

  2. コミュニティの事業構造

  3. 継続の仕組み


1.コミュニティづくりのポイント

成熟ニッポンにおいては、ビジネス的にもメリットの多い「コミュニティ」ですが、主体的に運営するにはどのようなポイントがあるのでしょうか。

コミュニティ・マーケティングでは下記のような留意点が挙げられています。

  1. 初めは少人数でスタート

  2. コミュニティの目的をはっきりさせる。

  3. 参加者に当事者意識を持たせる

  4. 参加者同士が交流できる仕組みをつくる

  5. 新規メンバーを大切にする

  6. 短期の成果追求、コミュニティ内で稼ぐなどは「ご法度」

通常のビジネス感覚とは異なる運営ポイントと言えます。

「コミュニティ」の最大の効力は、その「共感力」にあります。

これは「誰かのためにすることが、自分の幸せにつながる」という「利他の精神」とも言えます。

そしてコミュニティの基本は、「自発的な行為」です。

自分と世界とを繋ぐ行動は、常に自分発である必要があります。

ユーザーが、 SNSでシェアしたくなる仕掛けがあると、情報拡散しやすくなります。

しかしその一方で、メディアや企業から「これを宣伝してください」と指示されること対しては、反発を招きます。

コミュニティを「マーケット・販売の相手」と捉えるのではなく、「パートナー・共創の仲間」という位置付けで考える事が重要です。

このバランスのむずかしさが、コミュニティ・ビジネスのツボになるのだと言えます


2.コミュニティの事業構造

コミュニティの大きな特性は、その事業構造になると考えます。

本来のコミュニティは、自発的かつボランタリーな行為として行うという前提がありましたが、1997年「介護保険法」と1998年「NPO法」が転機となります。

従来は家族の責任・負担とされてきた「介護行為」が介護保険を介した事業として位置づけられます。

そして担い手の一端としてNPOなどのコミュニティ組織が担うようになったのです。

コミュニティ活動と経済活動とを繋ぎ、地域に必要なものや公共的なサービス・情報を循環させようという動きが生まれました。

さらにコミュニティと親和性の高い、子育て支援や保育、障害者の自立支援などでも、行政からの助成をもとに、 NPO法人の認証を取り、一挙にサービスを拡充させ、公共サービスの事業主体として、成長している団体も多くなりました。

このように、株式会社と違い「公共的」なイメージを纏うコミュニティは、行政の事業や助成の受け皿になると共に、民間企業からも協賛・協力を得やすい立場になっています。

さらにクラウドファンディングによる資金調達とも相性が良いようです。

またシェアリングエコノミーとして、モノ・お金・サービス・空間や知恵を共有化し、有効利用していこうという動向とも親和性があります。

そして単に消費して満足するだけでなく、プロセスを通じて、人と知り合えたり、交流できたりする社会的利益に重きを置く傾向も出てきています。

プロボノのように自分の本業やスキルを、ボランタリーに提供することによって人件費を削減することも可能になります。

このようにコミュニティに関しては、多様な収益源を確保する事が可能になると共に、さまざまなコスト削減方策も活用可能です。

このあたりの共感テーマ(善意)を核にした、緩いながらも高いコストパフォーマンスの事業構造と経済圏とが、コミュニティの特性といえます。


3.継続する仕組み

営利目的ではなく、特殊な事業構造を持つコミュニティを、持続させる事にはノウハウが必要です。

コミュニティ活動は、非常に緩い運営スタイルであるが故に、持続させていくには、「目的・目標・コンセプト」の設定が、非常に重要になると考えます。

  1. 目的・目標:なんのための活動なのか?

  2. コンセプト:そのためにどのような活動体制にするのか?

  3. さらにそれをどうアピールするのか:コミュニティ活動を、仲良し活動や属人的な苦労に依存する活動で終わらせるのではなく、持続性のある活動にしていくには、発信・発表を前提としたコミュニケーションデザインが不可欠です。

コミュニティの特徴を考えるときに「シブヤ経済新聞」が非常に良くできた仕組みだと考えます。

基本はブログサイトなのですが、「〇〇経済新聞」のラベル持つ事によって、街のハッピー情報をヒヤリングする事が「取材」となり、それをブログ化すると「記事」というポジションと役割を確立しているのです。

運営者は街づくり関連ビジネスを本業とする人たちで、副業としての取材・発信が、ネットワーク拡大を通じて本業に寄与するという構造になっています。

ローコスト運営で日本各地に横展開し「みんなの経済新聞」として読者数を増やし、広告収入を得るまでに成長しています。

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