【内容】
ホテルとマンションとの中間領域の可能性
コリビングとシェアハウスとの違い
コワーキングスペースの充実
1.ホテルとマンションとの中間領域の可能性
コリビングの特性を明らかにするために、ホテルとマンションとの違いから整理していきましょう。
まずホテルですが、数日単位の短期滞在を対象にしており、家具・家電付きで、清掃をはじめとした生活支援サービスが付帯しています。
一方のマンションは、数年単位の長期滞在を対象にしており、家具・家電は自分で購入し、清掃などの生活支援サービスもありません。
近年はこのホテルとマンションの中間領域を、埋める「ステイホテル」や「サービスアパートメント」など、様々な滞在スタイルが現れています。
まず「ステイホテル」は研修などの数週間単位の中期滞在を対象にしており、ホテルの家具・家電に加えて、キッチンやランドリーなどが準備されており、自炊も可能になっています。基本的にはホテル型の運営ですが、清掃サービスなどの実施頻度が少なくなっています。
次に「サービスアパートメント」は「マンスリーマンション」とも呼ばれ、数ヶ月単位の中期滞在に対応し、「ステイホテル」同様に家具・家電、キッチン・ランドリーが整備されています。
こちらは賃貸住宅型の運営で生活支援サービスは対応していません。
「コリビング」は、この「ステイホテル」と「サービスアパートメント」の間に位置する滞在スタイルと言えます。
「コリビング」の個室には、ホテルと同様に家具・家電が用意され、共用施設として、キッチン、リビング、コワーキングスペース、ランドリーなどが整備されています。
2.コリビングとシェアハウスとの違い
コリビングとよく似た滞在スタイルにシェアハウスがあります。
それぞれプライベート用の個室を持ち、リビングやキッチンを共用で利用する点などは似ています。
シェアハウスは、一般家屋をリノベーションして利用される事が多く、トイレや浴室まで共有になっている事が殆どです。
ですから個室で生活を完結されることができませんし、個室への動線もリビングなどを通るため、住人同士の「濃密な付き合い」が前提になっています。
これに対して、コリビングの場合は、個室に寝室・トイレ・洗面・シャワーなど最低限のプライベート生活機能が確保されています。
またマンションの様な構成のため、個室への導線も共用のリビングやキッチンとは独立しており、「選択できる」という仕組みになっています。
いつも共同で生活しなければならない状況の「シェアハウス」とは異なり、一人で居たいときには個室に篭り、一緒に居たい時にはリビングやキッチンを共用出来るという「程よい距離感(=隣人関係)」を確保できるのが「コリビング」の魅力です。
3.コワーキングスペースの充実
コワーキングスペースを充実させている点もコリビングの特徴です。
「働けて遊べて住める」というシン・アーバンライフスタイルを実現するためには、単に仲間と住むだけではなく、「社会との接点」が重要で、その主役としてコワーキングスペースが重視されています。
その意味で、コワーキングスペース部分は、外部からの来客やコミュニティイベント利用など、外部からの来館者にも対応できる配置と運営体制が必要になります。
コワーキングスペースを中心とした「コミュニティの質」が、コリビングの価値を決定づけると言えるのではないでしょうか?
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