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シェアオフィスの未来 シン・シェアオフィス ⑩

執筆者の写真: adminadmin

【内容】

  1. プラットフォームの必要性

  2. プロジェクト化していくオフィスワーク

  3. Office as a Serviceへの転換

 

 

1.プラットフォームの必要性

これまでの提案に共通しているのは、次世代のシェアオフィスには、会議室や受付などの共有施設・サービスの利便性だけでなく、オシャレな内容や家具などのデザイン性でもなく、そこで働く人たちに「本業とは別の役割りを与えるプラットフォーム」を提供する事が有効だと言うことです。

シェアオフィスを「大学に見立てていく」ことによって、イノベーションや地域や健康に関する様々な情報を「授業」としてプログラム化して提供でき、幅広い人たちの参画する動機や頻度が高まります。

飲食店運営の通説に「三回通えば常連」と言うものがあります。

初対面ではなかなか話題が見つからなくても、「授業」を通して二回・三回と顔を合わせる中で打ち解けて、顔見知りの常連として交流していくことは十分考えられます。

そして常連同士が、関心事と深めていきたいときは、大学における「サークル活動」として支援していけば様々な分野に広がっていきます。

このような「プチ副業」的な活動を通して、自分の会社以外の人達と繋がっていくことは、視野を広げ自己肯定感を高め事が期待されますし、地域における広義の「貢献施設」になると考えます。

 

2.プロジェクト化していくオフィスワーク

ビジネスは基本的には合理性を求めます。

社会が求める商品・サービスを、敏感に察知して、柔軟な思考・体制で具体化し、迅速に意思決定していくには、社内外の知見を集めたプロジェクト単位での事業推進が有効なことは明らかです。

従来のように短期的な事業性だけでなく、健康経営やSDGsへの対応などを含めた長期的な継続性と合理性とを前提にすると、1箇所(企業オフィス)に社員を集めて仕事をしていく選択肢は、「無理と無駄が多く」共感を得られなくなっていくのではないでしょうか。

より一層の情報革新の進展が想定される状況では、事業部門と経営都部門とを分離したホールディングス制を、さらに徹底した仕組みを稼働させる事が可能になると考えます。

将来的には各プロジェクトチームは、最適の人材を、最適の場所に集めて、フットワークよく事業推進に専念し、プロジェクトの終了と共に換算するようになります。

映画制作のようなプロジェクト型の業務の受け皿として「シェアオフィス」が機能します。

そして各事業部門のバックアップ機能と企業としての求心力とを「企業オフィス」が担うようになれば、会社組織の最大のストレスである「人間関係の悩み」についても最小化が可能です。

 

3.Office as a Sarviceへの転換

シン・シェアオフィスがさらに進化すれば、次のステージとして専用区画内の企業オフィスにおける、クリエイティブワークの質的向上をマネジメントできるようになると考えます。

シン・シェアオフィスでのデータ検証を元に、イノベーション誘発に有効な「視野拡張」のための「変化・寛容」を促す「舞台・仕掛け」との関係を解析し、クリエイティブワークの質的向上をマネジメントするのです。

シン・シェアオフィスにおける行動及び生体に関するセンシングデータをもとに、デスクレイアウトや温度・光・音・香り、さらにはイノベーション関連プログラムの開催や、ゲーミフィケーションに代表される行動デザインの活用したマネジメントです。

このプロセスを通じて、クリエイティブワークの「inputおよびoutput環境」をそれぞれ「深化・探索できる仕掛け」を最適にマッチングしていくことが検証可能になります。

そのノウハウを基に各テナント企業のワークプレイス全体に実装・運営し、入居企業の価値向上が可能になります。

企業平均で約1割に及ぶ間接部門人材(デロイトトーマツ調べ:2019年11.7% )の圧縮による、生産性の向上にも貢献できるOaaS(サービスとしてのオフィス)の実現です。

このようにシン・シェアオフィスによる、人・スペースの共用・効率化やワークプレイス・マネジメントなどの OaaS(Office as a Service:サービスとしてのオフィス)を事業化することによって、シェアオフィスビジネスは単なる転貸オフィス業からクリエイティブ・プラットフォーム業に転換して行くのではないでしょうか。

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