【内容】
1.真の「地方」を考える
2.幅広い関係人口で考える
3.東京と連携して考える
4.動機の仕組み化を考える
1.真の「地方」を考える
地方創生の具体策を検討するに当たって、対象となる「地方」を特定していくことが大切です。
本シリーズでは、栃木、群馬、茨城や山梨など、週2日程度の出社を前提にしたハイブリッド通勤圏の都市や、地方中核都市での生活は除外し、人口1万人以下の農山漁村などを対象にした地方創生を想定します。
そういった町では、「地域通貨」や「商店街活性化」などは役に立たちませんし、地域おこし協力隊の枠組みでの、地域ブランディングや地域支援などの自治体代理仕事では限界があります。
人口1万人以下の地方では、人口増加施策と、そのための経済の仕組みづくりが重要になると考えます。
2.幅広い関係人口で考える
前述したように、東京と地方との間に「収入格差」がある為、若年層の定住人口を増やすことを主眼にすることは、賢明とは言えません。
第二期地方創生における基本認識にあるように、施策の軸足を定住人口から「関係人口」におくべきだと考えます。
その上で、総務省で示された「地域によっては、若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、【関係人口】と呼ばれる地域外の人間が、地域の担い手になることが期待されます。」(これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会)といったステレオタイプの関係人口イメージだけでなく、対象を幅広く想定する事が重要だと考えます。
3.東京と連携して考える
東京との年収格差を踏まえると、地方だけで「自立」して生活を考えると、選択肢を狭めてしまいます。
日々の生活や人生において、東京の生活と連携・補完するサブシステムとして、地方での活動を位置付けてはどうでしょうか?
テレワークなどを活用し、都市にいながら地方の事業者を手伝うことで、本業にもプラスになる「複業」スタンスや、将来のために、幅広い知見と実践力や人間力とを高める体験をしておこうという「投資(=教育)」スタンスが有効だと考えます。
東京と連携したサブスシステムに、地方創生の活路があると考えます。
4.動機の仕組み化を考える
人は基本的には、「楽な方」に流れてしまいます。
本人の「地方への想い」だけではなく、背中を押す仕組みが有効ではないでしょうか。
地方創生活動の継続には、法人や親など、より広い視野やステークホルダーを持つ主体から、動機をプッシュされる仕組み化が、重要だと考えます。
このような視点から次回以降で、下記の3つの方策を提案します。
方策1 人生のサブシステムとしてのシニアステイ
方策2 企業のサブシステムとしての体験ステイ
方策3 教育のサブシステムとしての成長ステイ
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