top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

ニッポン・シアター⑨ ミュージアム・シアター

シアターは観劇目的で来場するわけですから、公演日でない時に来場者はありません。インバウンドを含めてスケジュール調整が難しい観光客などの利用者に対しては、常に体験出来る様にしてあげたいものです。シネマコンプレクスのように、時間をずらしながら常に公演が行われていたり、寄席のようにほぼ毎日の昼夜ともにプログラムが組まれているような状況が理想ですが、一般のライブパフォーマンスで実現することは難しいのではないでしょうか。一方で舞台衣装や能面などは、それ自体でも鑑賞価値の高いものですが、衣装や面だけが展示されるだけではなく、役者や公演内容とセットになって初めて真価を発揮するものです。

このような前提に立つとシアター付帯のミュージアム整備が有効であると考えます。もちろん伝統芸能の歴史を展示することも、利用者の理解を深めることに役立ちます。 

劇場全体をミュージアムに見立てた京都南座の試みが参考になるのではないでしょうか。劇場に猿之助歌舞伎の絢爛豪華な衣装の展示が展示されていると、公演の状況が思い浮かびます。また猿之助歌舞伎の歴史や魅力を映像で伝えたり、普段は見る事ができない歌舞伎の舞台裏、大道具を組み立てていく様子、猿之助の隈取りや楽屋の様子も再現され非常にリアリティのあるミュージアムになっています。

野球やロック音楽の殿堂として、ライブパフォーマンスの現場と分離して展示されてしまうことがよくあります。いくら映像などでライブの状況を再現しても、感動が半減する経験をしてしまいます。展示環境の優劣以上に、そこがライブパフォーマンスの現場であることが重要であると思います。もちろん公演との関連で運営は大変ですが、ミュージアムが付帯したニッポン・シアターは非常に魅力的だと考えます。

最新記事

すべて表示

地力づくり① ホール・劇場 シン・コンセッション⑧

【内容】 公共ホールの課題 シン・コンセッションの試算 1.公共ホールの課題 公共ホールの三重苦については、前述したとおりです。 ホール料金の上限 住民利用枠の設定 自主企画の開催 これらの制約が緩和されれば、公共ホールの運営は軌道に乗るのでしょうか。 公共ホール運営の最大の課題は、「運営モチベーション」だと考えます。 ただ単に「管理するだけ」であれば、「貸し館」の申し込みが来るのを待っていれば良

ケーススタディ2:博物館 シンコンセッション⑦

【内容】 Ⅰ 鳥取県立博物館 Ⅱ 滋賀県 東近江「森の文化博物館(構想)」 【Ⅰ.鳥取県立博物館】 概要と課題 鳥取県立博物館は、鳥取市街の中心地の鳥取城跡公園内に位置し、周囲には鳥取城跡や洋館の仁風閣などの観光スポットがあります。 総合博物館でしたが、2025年に美術部門を、県立美術館として分離させるため、鳥取県に関する歴史と自然をテーマにした展示をおこなっています。 特別天然記念物の「オオサン

ケーススタディ1 : ホール シン・コンセッション ⑥

【内容】 Ⅰ奈良県立文化会館 Ⅱ愛知県芸術文化センター 文化施設のコンセッションを検討するために、具体的に事例を元にケースステディを行います。まず「ホール・劇場」については、下記の2施設で検討します。 【Ⅰ  奈良県立文化会館】 概要 奈良県立文化会館は、奈良市の中心部、近鉄奈良駅から徒歩5分の好立地に立つホールです。 大規模改修の設計が終わり、2026年秋には、メインホール(1144席)小ホール

bottom of page