top of page
検索

ニッポン・シアター② 日本の芸能の原点と文化ホールの経緯

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年3月4日
  • 読了時間: 2分

日本の芸能のルーツは、岩戸に隠れた天照大神を誘い出すために舞踊りを披露したという「天の岩戸伝説」に代表される神のもてなしにあります。神のもてなしとしての祭りは、やがてクローズな祭祀とオープンな祭礼とに分化し、平安時代に入り祭礼の方は次第に動的・華美になり、大衆が好む競馬や相撲、田楽などが取り込まれて行きました。さらに江戸時代には寄席や舞台などの娯楽性が付加され、歌舞伎のルーツとされる「お国おどり」もこの時代に誕生し、専用劇場として歌舞伎小屋が生まれたのです。かつての日本では農村歌舞伎などが非常に盛んで、地域ごとに能楽堂や芝居小屋があり、人々に娯楽を提供していました。昭和10年代には全国の芝居・寄席の数は2400を超えていたといわれます。「日本的観劇は大衆的な祭り」と共にあったと言えます。

一方明治・大正期に入り、西洋文化の発展に伴って公会堂と呼ばれる公立の集会施設が、各地で建設されるようになります。さらに戦後の経済復興とともに、公会堂を原型とした公共ホールの建設が始まります。コンサートやオペラの講演を目的とした「東京文化会館」に代表される公共ホールは、公共施設の名目上、多種多様な演者や観客の欲求に応えなければならず、多様な演目に対応できる反面、専門性に欠けた多目的ホールが全国に整備されていきました。

1990年代には世界的に見てもレベルの高い専用施設も一部で建設されてきましたが、実演芸術の上演に利用できる施設(公民合わせて約3000館)の7割は公共施設で、その大部分がいわゆる多目的ホールという状況です。

このような経緯を振り返ると、日本的観劇の特徴である「祭り的」な特性と、公共施設整備の名目での「多目的ホール」機能とのミスマッチが、大きな課題であることがわかります。

 
 
 

最新記事

すべて表示
日本バリュー化の効果 日本バリュー都市 ⑩

【内容】 第1章 都市の魅力の可視化と差別化効果 第2章 エンゲージメントと関係人口の拡大効果 第3章 持続的な収益化とデータ循環による進化効果   第1章 都市の魅力の可視化と差別化効果 ブランド価値化の第一に期待できる効果は、都市の魅力が多層的に可視化され、他都市との差別化が明確になる点です。 従来の都市開発では、商業施設や交通利便性といった「機能の充実」が重視されてきましたが、それだけでは長

 
 
 
方策3:“モノより体験”の事業モデル化+データ循環 日本バリュー都市 ⑨

【内容】 第1章 都市開発における「体験価値」へのシフト 第2章 事業モデルと具体施策 第3章 KPIとデータ循環による持続性   第1章 都市開発における「体験価値」へのシフト 近年の都市開発や観光戦略においては、「モノ」中心の消費から「体験」中心の価値提供へと大きく軸足が移りつつあります。 背景には、内閣官房が示した「New Cool Japan Strategy 2024」が掲げる「モノより

 
 
 
方策2:“共体験”ドリブンのプログラム設計 日本バリュー都市 ⑧

【内容】 第1章 都市における「共体験」の意義 第2章 プログラム設計の具体像 第3章 都市に埋め込まれる導線と効果   第1章 都市における「共体験」の意義 現代の都市は、多様な文化や人々が集まり交差する舞台でありながら、その交流が十分に深まらないまま通過的に終わってしまう場面が少なくありません。 商業施設や観光資源は整っていても、それを通じて「人と人が一緒に体験する時間」をどう生み出すかが、都

 
 
 

コメント


bottom of page