ファンの定義と価値に続いて、「どのようにして、ファンを増やしていくのか?」
ファンマーケティングの計画ポイントについて、検討します。
【内容】
マーケティング・コミュニケーションの進化
ファンマーケティング事例としての「スターバックス・コーヒー」
ファンマーケティングの3つのアプローチ
ブランド化のための「成長投資」というスタンス
1. マーケティング・コミュニケーションの進化
ファンマーケティングを検討する際には、まずマーケティングにおけるコミュニケーションの進化を確認する必要があります。
従来のように認知、検討、確認、購入という「流通チャネルの終点としての消費者」ではなくなっています。
消費者は発信者でもあり、購入後の体験、感想などを、SNSを通じて拡散します。
情報量が溢れすぎ、広告などでの商品情報の99,996%はスルーされるという時代には、家族や友人など、「類友」からの情報こそが、最も信頼される商品情報なのです。
2. ファンマーケティング事例:スターバックスコーヒー
ファンマーケティングの成功事例として、真っ先に挙げられる「スターバックスコーヒー」は、テレビCMなど大規模な広告はほとんど使いません。
①寛げる店舗づくり
②高品質の商品
③居心地の良い接客
を基本にした「スターバックス体験」の提供に徹しており、広告に頼らずとも高い認知度を獲得しています。
また顧客同士で、新商品やおすすめのカスタマイズなどの、情報発信が繰り返される事で、すでにスターバックスを利用したことがある人に向けて、マーケティングが行われています。
3.ファンマーケティングの3つのアプローチ
「ファンベース」を提唱する佐藤尚之氏によると、ファンマーケティングを進める上で大切な事は「情緒価値を伸ばすこと」だとされています。
「機能価値はコピーできるけれど、情緒価値はコピーできない」というわけです。
具体的なアプローチとして次の3点を挙げています。
共感を強くする:ファンの声に傾聴し、ファンである事に自信と喜びを持ってもらう
愛着を強くする:商品にドラマやストーリーを纏わせ、ファンとの接点を増やし、大切にする。
信頼を強くする:本業を細部まで誠実に見せ、丁寧に説明し、社員の信頼を大切にし「最強のファン」にする。
4.ブランド化のための「成長投資」というスタンス
「ファン化」とは商品を買って頂くためにかかる「広告コスト」ではなく、ブランドを育てるための「成長投資」だというスタンスが大切です。
ブランド価値をもう一度見直し、部署を超えたプロジェクトで、指名買いしてもらえる「ファン」を地道に作る戦略が必要です。
今回はファンマーケティングの計画ポイントを整理しました。次回以降では、まちづくりへの展開を検討していきます。
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