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中間領域の歴史 縁側ストラクチャー ③

【内容】

1.基本的には「戸外の生活」

2.公共スペースはお上のもの

3.公共スペースの役割転換


中間領域に関する歴史的な経緯と変遷とを整理します。

1.基本的には「戸外の生活」

江戸時代、100万人の人口を抱えた江戸の街には、、「棒手振り」と言う商売がありました。

路上を売り場にして食材・惣菜から日用品まで、なんでも売り歩く移動販売サービスで、魚や野菜だけでなく、蕎麦、天ぷら、おでんなどの食料品から金魚、鈴虫、風鈴まで、路上が生業の活躍する市場だったのです。

その名残りとして昭和40年代まではパン、ラーメン、豆腐、焼き芋などの移動販売が残っていました。

日本の家屋は、柱と梁との軸組構造のため、欧米のように壁がなく屋外と一体になり、生活のアクティビティの大半は屋外にありました。

横丁や路地は、私と公の部分が混ざり合う緩やかな空間として、井戸端を中心にコミュニティが生まれ育つ場所でした。

昭和40年代までは打ち水、向こう三軒両隣の掃除などの生活マナーや、道端に縁台を持ち出し将棋やトランプなどの生活風景の舞台になっていました。

中間領域というよりも、街路に私的生活が溢れ出し、暮らしの匂いが溢れていたのです。


2.公共スペースはお上のもの

戦後のモータリゼーションによる自動車の氾濫が、それまで人が中心であった道を、自動車中心へと作り替えられます。

大通りでは、人々にとっての広場空間が奪われることになり、路地は、防災上の不安や高齢化や老朽化に伴う建て替えなどで、存続の危機に直面しています。

「不燃化し道路率を高める」という都市政策の基本スタンスと「自動車を円滑に通行させる」という道路行政とのタッグが、いつの間にか「公共スペースはお上のモノ」という意識を定着させてしまったのです。

「官」と「民」という意識が強い反面、「公・共」の概念が曖昧な日本では、「民地(=所有地内)をどう使うかは自分の勝手」と言う反面で「道路・公園などは『お上』の土地」という認識になり、屋外空間に関して極端に無関心・無責任になっています。


3.公共スペースの役割転換

そんな歴史を持つ公共スペースは、高度成長期と成熟社会期では、求められる役割が異なります。

1970年代までは、悪化する市街地環境の質を担保する「開放性とゆとり」が重視され、近年は、市街地の空洞化対策として「賑わいと魅力アップ」重視されるようになっています。

「開放性とゆとり」は、空間が確保されれば機能しますが、「賑わいと魅力アップ」には、その場所でのアクティビティを促す必要があります。

公共スペースの利用に慣れていない上に、その活用にあたって、誰の許可を得れば良いかが不明確なため、一部の批判者の声を恐れて、お互いに遠慮し合っている状況です。

良い事・楽しい事と分かっていても、公共スペースには敢えて踏みこまないのが良策とされて来ました。

現代の都市部では自分の家や店の前の街路樹の根元に花を植え、世話をする事さえ躊躇するような有り様です。

もう一度「官」の思惑、「民」の遠慮を再確認し、これを踏まえた再編成を検討・提案する必要があります。

日本の場合は「こみせ」のように、私的領域性の強い内部空間において、所有と利用の中間解釈した方が良いのかも知れなません。縁側ストラクチャーの役割だと考えます。


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