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今なぜ 「カイシャ」なのか?:「都市×会社」2.0 ①

【内容】

  1. 「池袋の顔」問題の本質

  2. 都市の主人公

  3. 会社と都市との関係変化



1.「池袋の顔」問題の本質

昨年末に「そごう・西武」が、これまでの親会社「セブン&アイ・ホールディングス」から売りに出され、ヨドバシカメラと組んだアメリカ資本の不動産ファンドが、優先交渉権を獲得しました。

池袋の顔とも言える「西武百貨店」の低層部が家電量販店になると予想され、これに異を唱えた豊島区長の言動が注目を集めました。

「そこまで口出しするのなら、豊島区が、西武百貨店を買えば良い」

「いや、池袋の顔に相応しい店づくりがあるはずだ」

と意見が二分し、結論は3月中まで先送りとなりました。

この他にも、神宮外苑の再開発プロジェクトでも、イチョウ並木の保存問題など、プロジェクトの見直しを唱える人たちが声をあげています。

両方の問題に共通するのは、「ビジネスか?まちづくりか?」のせめぎ合いであり、「資本の論理」と「公共性」との衝突と言えます。

言い換えると「会社」と「街」との確執なのです。


2.都市の主人公

それでは「都市の主人公って誰でしょうか?」

一般論で言えば「住民」と答えるでしょうが、私は「会社」だと思います。

都市の一等地に拠点を構えるのは、オフィスであれ、大型商業施設であれ、シネマコンプレクスであれ、みんな「会社が所有」している建物です。

個人の私財では、獲得できない高価な資産を、会社(特に株式会社)であれば、広く資金を調達して、購入できる訳です。

もちろん都市にも住宅はあり、住民もいます。

ただ都市において住民は、「消費者・マーケット」としての存在価値と、言えるのではないでしょうか。

都市におけるさまざまな生産活動は、「会社」を基盤に行われ、自治体も住宅建設による住民誘致よりも、企業誘致を重視しています。

これまで「都市」は、その中心部に、オフィスや大型商業施設の立地に相応しい、利便性と集積性を提供してきました。

そして高額な土地代を支払える「会社」が、街の顔となる「格」のあるオフィス作り、店づくりを行ってきたのです。


3.会社と都市の関係変容

そんな都市の主人公である「会社」が大きく変化し、これに伴い、会社と都市の関係も変容しています。

最も大きな変化は、「会社の巨大化」です。

「1989年には、企業の時価総額ランキングで、日本企業が、トップ10に7社もランクインしていたのに、2018年には、トヨタの42位が最高位で、日本企業は本当に落ちぶれた」

と「失われた30年」の根拠として、出される企業の時価総額ですが、トヨタなどの時価総額は、7.65兆円から21.77兆円と伸びているのです。

逆に言えば、上位を占めるGAFAMに代表されるテック系企業が、桁違いに巨大化したのです。アップルの時価総額は320兆円(2020年)と、国家予算と見間違う巨大さです。

このように成長し巨大化した「会社」に比べて、「都市」を作る自治体は、財政が逼迫し続け、民間資本によるコンセッションや事業用借地などの手法で、様々な行政財産の有効利用(=処分)が図られてきたのです。

さらに企業活動は「ネットワーク化」されるようになりました。

従来のような「企業城下町」ではなく、グローバルネットワークの中で、部材供給や商品販売を行う様になりました。さらにコロナ禍により「リモートワーク」と「 E コマース」が、一気に進みました。

従来の都市の強みであった「集積性」と「利便性」という価値を、大きく揺るがせています。


会社と都市との関係は、新しいステージに入ったのでは、ないでしょうか。

このような認識から本シリーズでは、「会社×都市」2.0というテーマで、論考していきたいと思います。

よろしくお願いします。

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