【内容】
健康とウォーキングに関する知見
ウォーカブルな街づくりに関する知見
1.健康とウォーキングの関する知見
「健康・医療・福祉のまちづくり」に向けた、健康とウォーキングに関しては、下記のような知見があります。
日本では、運動不足が原因で毎年5万人が死亡しており、適度な運動スポーツの習慣化で、この死亡者数の減少が可能。 (厚労省:2011年日本・国民皆保険制度から50年)
平均寿命と健康寿命との差は10年前後の差異を保ったままであり、適度な運動・スポーツの実施により、ロコモやフレイル状態は元より、生活習慣病予防にも寄与する。
(厚労省:2018年健康日本21委員会資料)
ウォーキングの効果は、脂肪燃焼、生活習慣病の予防、呼吸循環器系機能の向上、ストレス発散、睡眠の質向上など、これまで様々な報告が挙げられている。
注目されるのは、ウォーキングの実施率で、4,913万人(年1回以上47.5%:笹川スポーツ財団2020年調査)で、サッカー436万人、野球384万人、スポーツクラブ254万人に比べた圧倒的な多さ。この実施率は国民の健康増進に向けた施策対象として重要。
ウォーキングによる医療費抑制効果は、0.065-0.072円/歩/日と試算され、1日1500歩増加すると、年間3.5万円削減が期待できる。(国交省:健康・医療・福祉のまちづくりガイドライン)
2.ウォーカブルな街づくりに関する知見
「健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドライン」では、ウォーカブルな街づくりに向けて、下記のような知見と留意点を示しています。
健康に対する意識が高い人は、そうでない人に比べて、1日の平均歩行数が多い
1日8000歩を達成している人は、運動器の衰えや低体力化が低い傾向にある。
人とのコミュニケーションが多い人や地域での活動に参加している人は、1日あたりの平均歩行数が多い
友人・仲間がたくさんいる高齢者や、自主的な活動に参加した事がある高齢者は、生き甲斐を感じる割合が高い
交流施設が徒歩圏域に多くある地区の高齢者は、地域活動やサークルなどへの参加率が高く、外出頻度が高い
公園が徒歩圏域にある高齢者は、運動頻度が高い
高齢者が徒歩で外出するためには、「沿道景観」と「休憩施設」が重視されている
高齢者は歩行経路の選択で、「道路横断の安全性」「歩道の凸凹・段差」を重視している
鉄道駅から1.5km圏外で免許を保有していない人は、保有者に比べて外出率が低い
高齢者は、居住地からバス停までの距離が離れる毎に、外出行動が自立しなくなる
健康の要因には、家庭、地域、職場、社会の複層的な影響が想定されています。
街づくり=健康づくりでは、「ついつい健康になってしまう街づくり」が目指されるのでは無いでしょうか。
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