【内容】
「選手の存在感・凄さ」を感じたい
多面的なキャラクター発掘の効用
演奏家・アーティストのキャラクター開発
1.「選手の存在感・凄さ」を感じたい
野球殿堂博物館は、どうして面白くないのでしょうか?
WBC2023のトロフィーが飾られて、名場面がビジュアルと映像とで紹介されています。大会で使用されたボールやバットなども展示されています。
プロ野球12球団のユニフォームや選手のサイン入りグローブなどが並んでいても、そこに「選手の存在感」を感じることはありません。
マーケティングの教訓に「お客はドリルが欲しいのではなく、穴を開けたいのだ」というものがありますが、私たちが野球博物館に求めるのは、正にこの「穴の話」と言えるのではないでしょうか。
もちろん思い出のトロフィや記念品として様々な用具の展示があって良いのですが、鑑賞者が期待しているのは、並外れた選手達の存在感・凄さを実感することだと考えます。
2.多面的なキャラクター発掘の効用
私が好きな番組に、「ズムサタ・熱血プロ野球情報」というものがあります。
アナウンサーが読売ジャイアンツの選手達に、毎回決まったテーマに沿ってインタビューしていくものです。
野球に関するものだけでなく、「好きな食べ物」や「初任給の思い出」「母親の手料理」など様々なテーマを設定しており、このインタビューを通じて各選手のプライベートな側面が垣間見ることができます。
この多面的なキャラクターの発掘が、ジャイアンツの選手達に対して親近感を抱くことにつながります。
新日本プロレスでも、レスラーの様々なキャラクターを掘り起こしています。
例えば、真壁刀義選手などは、悪役レスラーとしてだけでなく、「スイーツ王子」的な顔も持っています。
ファッション雑誌の表紙を飾る「スタイリッシュな一面」もあり、映画「キングダム」にも出演する「俳優の顔」もあると言った具合です。
積極的なキャラクター開発は、選手のブランディングにつながり、関連グッズを販売していく上で、非常に有効だと言えます。
3.演奏家・アーティストのキャラクター開発
「岩代おじさん図鑑」というプロジェクトがあります。
福島県二本松市の観光協会が発行したもので、地元の普通のおじさん達をゲームの攻略本に似せた構成でデザインし、年齢(レベル表現)、趣味・特技・生き様・経験などが紹介されています。
新日本プロレスのレスラー達は、ゲームのキャラクターばりに、イラスト化されています。
これまでは、演奏家・アーティストに関して、ステージ上の姿しか表現せず、それ以外の情報発信はタブー視されてきました。
新日本プロレスの事例は極端かもしれませんが、歌舞伎俳優や宝塚歌劇のスターの事例は、十分に参考になると考えます。
競技や演技だけでなく、演奏家や公演アーティストの様々な側面をクローズアップしていくことは、見る人の興味と好奇心を掻き立て、広義の収益性向上につながるのではないでしょうか。
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