top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

卒・売り場思考の商業施設② DtoCメーカーの台頭と課題

日本のBtoC(物販系)Eコマースの市場規模は10兆円(2019年)から12.2兆円(2020年)になり、21%を超える伸びを示しています。よく比較される全国の百貨店売り上げ合計が5.6兆円(2019年度)から4.1兆円(2020年度)と大幅下落している状況とは好対象で、コロナ禍を経て、小売の主役交代&オンライン1stの時代を実感させます。この Eコマース市場において急激に存在感を増しているのが、Dto Cメーカーです。中間流通業者を通さず自社のEC サイトを通じて、顧客に直接販売するメーカー直販ECで、海外事例の Warby Parker(メガネ) やAllbirds(スニーカー)、国内事例ではバルクオムやファブリックトウキョウなどが代表格です。従来のように工場設備や店舗などを持たずに開業できるため、大きな初期投資を伴わず参入障壁も低く、日々新しいDto Cメーカーが誕生し続けている状況です。急激に増え乱立するDtoC メーカーの最大の課題は「集客」です。それぞれ SNSを通じてブランドの世界観などを発信していますが、情報洪水の中でデジタルだけで差別化を図っていくことは極めて困難です。増え続ける競合に対抗するために①オンライン広告の費用は高騰し、②高まらないリピート購入率に苦しみ、③結局は大多数のお客様が大手に流れがちな状況です。商業施設を運営するパルコ幹部のコメントによると「最も顧客獲得率が高い方法はSCへの出店」になるそうです。新業態の発展ステップとして「催事販売→1号店出店→多店舗展開」という従来の拡大路線ではなく、「ネット販売→時々ポップアップストア」という図式にシフトしています。【オンライン1st】で話題づくりやリアルな顧客接点機会として、SC内にポップアップストアを出店するケースが増えているのです。

【オンライン1st】とはリアル店舗を主軸にして、販売促進や情報発信のためにネット活用するのではなく、売り上げの主軸であるネットショップ活動のアクセントとして、リアル店舗(ポップアップストア)出店という位置付けに逆転すると言う事です。当然ポップアップストアの目的やコンセプトも変わり、商業施設におけるポジショニングや対応にも発想の転換が必要になります。

最新記事

すべて表示

【内容】 提供価値のアップデート 事業構造のアップデート 顧客接点プラットフォームの構造 1.提供価値のアップデート 従来の商業施設は、ショッピングセンターと呼ばれ、「モノを買う楽しみ」で人を集めていました。 休日のレジャーの一つがショッピングでした。 できるだけ沢山の商品を揃え、フードコートやカフェなど滞留を促す快適環境を整える事によって、「購買機会」という価値をワンストップで提供してきたのです

【内容】 AR実践例での検討 ユーザーの「ハマるマインド」の必要性 フックとしてのリアル・アイコンの必要性 1.AR実践例での検討 私たちの研究会で、AR関係企業などの実践者を招き、現状でのARコンテンツの実践例で、その可能性を検討した事があります。 飲み屋横丁の事例:飲み屋横丁を舞台にして、路地を歩いていると、お上さんの声がけやおすすめメニューなどが、表現される映像です。 リアルで店内を覗くのは

【内容】 1.裏ショップの可能性 2.リアルを起点にしたイメージ拡張 1.裏ショップの可能性 AR技術を活用すれば、「リアル店舗はどのように魅力化できるのか?」について、(株)エイベックスでプロデューサーを務める中前省吾氏に伺ったことがあります。 彼は「アンダーグラウンド東京」というコンセプトで、「多彩な裏ショップ」を説明してくれました。 100円ショップの裏では、100万円以上の高級品を販売する

bottom of page