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  • 松岡一久

商業施設アップデートの覚悟 1

商業施設と D2Cメーカー各々の事情


都心商業施設の苦戦が続きます。超成熟社会化に伴う長期的かつ緩やかなダウントレンドはインバウンド需要に支えられてきましたが、コロナ禍によるインバウンドの蒸発に加え、時短営業・外出自粛・テレワークの普及などの要因が重なり、[交通利便立地×テナント集積力=成功]という方程式が全く崩壊してしまったのです。 Eコマースの進展でリアル店舗が売れない上に来店もしてくれない状況で、商業施設の[固定+売上歩合]賃料が成立せず、全国のショッピングセンターでは約18万件の空き区画があるといわれます。少しでも賃料外収入を稼ごうとポップアップ店舗などを試みても手間の割に効果に実感が無いようです。もともと商業施設の事業構造は館が「集客」し店舗が「売上」を立てるという役割分担です。単店では集客が難しい店舗の集積が多く、一部の有力店舗を除き店頭売り上げに拘りオンライン連携にも積極的では無い状況です。いわゆるレガシー店舗の集合体としての商業施設のデジタルシフトは至難と言えます。

一方 伸長著しいD2Cメーカー(オンラインでの製造直販企業)ですが、オンライン上はすでに競合で溢れ、各社がストーリーやコンセプトを語るものの、オンライン情報だけでの圧倒的な差異化表現は難しい状況です。リピート率も向上せずオンライン広告料が高騰し、結局大多数の客は体力のある大手に流れてしまうという課題に直面しています。パルコ幹部の言によれば「 D2 Cメーカーにとって最も顧客獲得効果が高い方策は商業施設への出店だ」そうです。

このような状況認識のもとD2Cメーカーとの連携による商業施設のアップデートが有効だと考えます。 

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