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  • 松岡一久

商業施設アップデートの覚悟 2

D2Cメーカー導入の課題


都心商業施設における D2 Cメーカー連携によるアップデートは、有望だと考えられるのですが、なかなかうまく結果を出せないようです。丸の内や新宿、渋谷などで「ショールームストア」として先進的な試みが進められているものの「非常に話題になる」「すごく売れる」といった評価にはなっていません。何万社もある D2Cメーカーは扱う商材の種類が限られ、生産量も少ないケースがほとんどです。出店期間も数日〜2週間程度と短く、販売スタッフやノウハウにも限りがあり、現状ではリアル売り場としては魅力を発揮できない状況だと推察されます。従来のテナントイメージでディベロッパー側が「開店・集客」を期待しても、無理があることを認識すべきです。これはオフィスビル事業における「コワーキングスペース」の創成期に似ていると言えます。それまでオフィステナント市場では「出来るだけ安定的な企業に、大きな床面積を、長期間借りてもらう」事をゴールとして運営されてきました。「不安定な個人のクリエイターや社会事業家に、デスクスペース一つから、時間単位から貸す」コワーキングスペースは非常に手間が掛かるため、創世記はインディー系の運営者が中心だったのです。ところがコワーキングのスタイルがイノベーションやインキュベーションを生み出す仕組みとして有効であるという認識が広まり、次第に大企業による運営が進んだところでのコロナ禍で一気に普及したとい言えます。米国オフィス調査会社によれば「2030年にはオフィス全体の30パーセントがコワーキングになる」という予測も出ています。まさに「法人の時代」から「個人の時代」へのシフトと言えます。商業施設においても「コワーキング」のように位置付けを明確にした上で、 D2 Cメーカーを導入していくべきだと考えます。

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