top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

売り場 ARの提案:商業施設のXR武装 ⑧

【内容】

  1. 大型ライフスタイルショップの限界

  2. ライフスタイルカフェ& ARショップ

  3. ライフスタイル・ウォール& ARショップ



1.大型ライフスタイルショップの限界

商業施設が「顧客接点プラットフォーム」になると想定した場合に、売り場にはどのようにAR技術が活用できるのでしょうか。

ファッション店舗は、来店機会を増やしたり、差別化のために世界観を提示する手段として、アパレルだけでなく、雑貨やインテリアなどを横断的に扱う「ライフスタイルショップ化」を志向してきました。

そうなると売り場面積が増え、賃料負担が重く、売り場効率も悪くなってしまいます。

代表的なライフスタイルショップである、「ロン・ハーマン@東京・千駄ヶ谷」は、1000㎡の店舗に、男女ファッションや雑貨はもちろん、インテリアやカフェまで併設されています。

日本橋の「誠品生活」や各地の「蔦屋書店」も、本を媒介にしてライフスタイルを訴求した上で、そのコンテンツと関連した商品を販売しています。

全てをリアルの並べようとすると、大規模な店舗にならざるを得ません。

資本力のある大企業による旗艦店か、ディベロッパー側が集客のために、特別待遇で誘致するケース程度しかなく、一般解にはなりません。

大型のライフスタイルショップの限界が、リアルな店舗を起点にしたARコンテンツの拡張の可能性を感じさせます。


2.ライフスタイルカフェ&ARショップ

A R技術を活用することで、これらの課題を解決できないでしょうか。

例えば、ロン・ハーマンと同じように、アメリカ西海岸風の内装を施した「カフェ」をフックにしてはどうでしょうか。

カフェに並んでいるファッション、雑貨・クラフト、食材などの在庫をAR展開して提示するのです。

これでしたら100㎡程度でも、十分展開可能です。

同様に、南欧スタイルや北欧スタイル、アジアンテイストなど様々な展開が想定可能です。

最終的には、Eコマースの購買動線への誘導が目的ですから、一定エリアのリアル商品は、月替わりで入れ替えても良いと思います。

1年間で12通りの購買動線が設定可能になります。

無印良品が「MUJI HOTEL」を運営して、「体験」から「購買」に繋げようとしていますが、要するに「リアルな世界観に共感」してもらえるフックになれば良いわけです。

その上で「①ARコンテンツにアクセスし、②AR コンテンツ上の商品に興味を持ち、③Eコマースで購入してもらう。」という体験・操作を行える快適環境をカフェが提供できないでしょうか。


3.ライフスタイル・ウォール&ARショップ

さらに「店舗」という区画・空間だけではなく、「壁面」を活用できないでしょうか。

商業施設のパブリックスペースの様々な壁面を、「垂直の店舗」と見立てることができると、出店ハードルが低下すると同時に、パブリックスペースへの投資意義が高まり、上質な空間の提供が可能になります。

この場合、分かりやすいフックが必要で、「マンガ・イラスト」が有効ではないかと考えます。

魅力ある世界観を作る、想像力と描写力に長けている漫画家が適任で、例えば西海岸風であれば、「わたせせいぞう」さんによるイラストなどが、好例だと思います。

マンガ・イラストに仕込まれたマーカーを介して、 ARコンテンツやEコマースに誘導していけるのではないでしょうか。


このような手法で「売り場 AR」を模索していきたいと考えます。


最新記事

すべて表示

築地の魅力 築地アップデート ③

【内容】 築技(つきわざ)とは 築地の「目利き文化」 「築技」誕生のメカニズム       1.築技(つきわざ)とは 「築技」とは、築地市場の豊洲への移転後も、築地本来の魅力を残す目的で、NPO法人「築地食の街づくり協議会」が展開するプロモーションの呼称です。...

食品流通の仕組みと動向 築地アップデート ②

【内容】 食品卸業とは 食品卸業の役割 卸売市場の転換期     観光客で賑わう「築地」が、なぜ危機的状況なのか? 「築地」の複雑な特徴を明らかにするために、食品流通の仕組みと動向を整理します。 1.食品卸業とは 食品卸業とは、生産者から食品を仕入れて、小売業者に卸す(販売...

今なぜ「築地」なのか?築地アップデート ①

【内容】 SOS「築地」 築地の歴史 築地の現在地       1.SOS「築地」  築地場外市場(以下「築地」)は、「美食の街:東京の台所」としてインバウンド客に大人気で、連日朝早くから観光客であふれています。 一見、大繁盛で皆が羨む光景ですが、その裏で「築地」の本業の疲...

Comments


bottom of page