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方策2「コミュニティ・シェアオフィス」 シン・シェアオフィス ⑧

【内容】

  1. 三位一体の企業求心力

  2. 「地域との接点」としてのシェアオフィス

  3. コミュニティ・シェアオフィスの設え

 

 

1.三位一体の企業求心力

別項で述べましたが、小田急電鉄は、コロナ禍を経て、「社内ベンチャーの育成」に力を入れています。

ごみ収集支援サービスの「Wooms」や、獣害防止サービスの「ハンターバンク」、町内会支援サービスの「一丁目一番地」など、鉄道事業に限らず様々なプロジェクトが自走しだしています。

まだまだ事業規模としては、小さいですが、「沿線課題の解決が、沿線価値の向上につながる」という「地域価値創造型企業」というビジョンに基づき展開しています。

企業としての継続性を考える時、売り上げの拡大などの「事業力」はもちろん必要ですが、これと並行して、社員のモチベーションなどの「組織力」と、地域社会との共生を通じた「社会力」とで、「三位一体」の求心力を作っていく事は、非常に有効ではないでしょうか。

「売り上げノルマだけ」を独り歩きさせるのではなく、社員のモチベーションを高めるに、地域との接点づくりを展開する小田急の試みは、参考になると考えます。

 

2.「地域との接点」としてのシェアオフィス

ワークライフバランスを重視し「会社には9時から5時まで席に座っている時間を切り売りしている」と言う感覚の若い社員が増えた、と嘆く経営者とよく会います。

終身雇用の幻想が明らかになりましたし、もちろん会社に人生を捧げる必要は無いのですが、少し勿体ない気がします。

しかもワークライフバランスを重視する若い社員たちが詰まらなさそうで、効率も良くない事が気になるといいます。

社員が、地域の課題解決を通じて、働き甲斐を実感していくことは、「組織力」と「社会力」の向上につながるのですが、どんな企業でも地域が受け入れてくれる訳ではありません。

企業の人たちが地域と関わる受け皿として、シェアオフィスが有効でに機能するのではないでしょうか。

一企業では受け入れられなくても、複数企業の人たちが共同で、「地域との共創を研究・実践していく大学」としてシェアオフィスを運営していくのです。

転職を前提にした腰掛けのつもりあっても、狭い世界で何年も燻っているのではなく、並行していろいろな生き方を模索し、成長の機会にしていく場を提供してはどうでしょうか。

同業他社だけではなく、全く別の生き方をする人との出会いの場や、様々な職業や社会事業などのトライアルの場を用意できれば有効です。

副業やワークシェアが前提になる時代に対応して、夕方以降はそちらで時間を過ごしてみると、自らの生き方を問い直す機会になると考えます。

大学の卒業とともに、何もわからないまま入社した会社にしがみ付いたり、青い鳥を探して闇雲に転職するのではなく、いろいろな生き方を確認し、納得した上での選択であれば、自分の適性と可能性を信じて、真剣に努力していくのだと思います。

もちろん結果的に転職する人間もいると思いますが、総体としての熱量の高まりは、企業価値の向上につながるのではないでしょうか。

 

3.コミュニティ・シェアオフィスの設え

「地域との共創を研究・実践していく大学」としてのコミュニティ・シェアオフィスを運営していくには、企業人ではなく個人として、街に関われる立場づくりが大切だと考えます。

大学に見立てることによって、下記のような立場を獲得できるのではないでしょうか。

  1. 大学ですから、街に関して調べるために、街を歩き回り、調査・ヒヤリング・発表する事が可能です。

  2. 大学ですから、様々な行動が実験・トライアル名目で、認められる可能性があります。

  3. 大学ですから、行政や地元企業から、色々な相談事が舞い込むかもしれません。

 

このような活動を通じて「地域の人・コト・街との関係の強化」が図れるのではないでしょうか。

自分たちがやりたいテーマを街に絡めながら、大学生・研究員の肩書のもとで、フィールドワークをしていくのです。

コミュニティ・シェアオフィスは、人生100年&生涯現役時代に「人生を輝かせる舞台」として機能すると共に、企業の「組織力」と「社会力」とを向上させていくと考えます。

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