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施策1:「自助」の自動化 防災まちづくり ⑦

【内容】

  1. まず自助が原則

  2. 事前の判断基準づくり

  3. 災害時における「自己責任」



1.まず自助が原則

日本人は、お役所への信頼が厚いため?或いは自分で判断することが苦手なため?なのか「公助」に頼りがちです。

繰り返しになりますが、災害時に「黙っていても誰かが、助けてくれる」とは思わない方が良いのは明らかです。

大規模災害時に自治体が、個別の状況を把握し、適切な指示や支援をすることは、不可能だと考えるべきです。

「指示待ちの姿勢」ではなく、自分や家族を守るために、主体的に情報を集め、判断・行動する「自助」意識が重要です。

「こんなになるとは思ってもいなかった」とは、ほとんどの被災者のコメントです。

もちろん近年の大雨や台風は、「想定外」の風雨をもたらしていますが、それを前提にして、「想定外」を「想定内にする習慣化」が必要だと言うことです。


2.事前の判断基準づくり

「株式投資」で失敗する時の心理状態は、「値下がりの傾向が見えても、もう少し我慢すれば回復するのではないか?」と言う、根拠のない期待で売り時を逃してしまい、結果的に大きな損を招くと言います。

そしてその対策は、「株価が〇〇%値下がりしたら、(自動的に)売却して損切りをしてしまう」と言う独自の判断基準づくりだと言う事です。

防災においても同様で、「〇〇mmの雨量予測になったら(自動的に)避難する」と言う判断基準を、予め決めておく事ではないでしょうか。

風雨が強くなる最中に正確な判断を期待する事はできませんから、事前に自分或いは家族や近所での確認が有効です。

もちろん「空振り」してしまう事もあるでしょうが、「事前に判断基準」を作ること自体が、「自助」行為の第一歩と言えます。

その他にも、具体的な「自助」行為とは、下記のような事前準備が中心になります。

  1. 箪笥や本棚などの家具の固定やガラスの破損防止などの「家内安全」の準備

  2. 3日〜1週間めどの水や食料など、非常時の「持ち出し品」の準備

  3. 安否確認や避難場所などの「避難時情報」の確認・共有


さらに要支援者の人が、自力での避難が難しい場合に、事前に自治体に対して、状況を伝えておいたり、家族に意思を伝えておくことも、「自助」行為と言えます。


3.災害時における「自己責任」

一般的に自己責任とは、「自分の判断で行動して招いた結果について、自分が責任を負う事」と、解釈されます。

しかし、明治大学准教授の小林秀行氏は、「災害時においては、より多くの人々を救えるようにするため、一人一人が、自分の責任として最善を尽くすことだ」とコメントされています。

全体最適のための自分の役割を果たすこと、独立しつつも、お互いに強調・補完し合うことが、災害時における「自己責任」と解釈できます。


災害時に社会の中で自己責任を果たすためには、自己判断と事前準備などの「自助」行為が大切だと言うことです。

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