top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

次世代の沿線価値 ⑧ 卒・旅客思考:プチ都心キャラバン

これまでの都心通勤は、無駄とストレスが多かった反面、郊外に住みながらも都心とを日常的に行き来できていたので、食や音楽、ファッションなど都心の文化トレンドが日常生活に組み込まれていました。リモートライフによって時間的な余裕は生まれましたが、行動半径が小さくなり、どうしても文化トレンドには疎くなってしまいます。スイーツに代表される食文化の洗練と進化は、都心ならではの現象といえます。都心のデパ地下グルメや白金や広尾など都心お洒落タウンで、調理されたパンやスイーツ、総菜などが、その日のうちに郊外の駅まで移動販売しに来てくれると素敵です。保存が効くものとは大きく味が異なるこれらの商品で、いつものスーパーやコンビニとは異なる「ハレ感」を味わうことが可能になります。もちろん地元だけでは、マーケットも限られますので、一箇所に売り場を構えるのではなく、期間限定でキャラバンのように移動していけば、事業として成立するのではないでしょうか。

JR東日本は東北新幹線を活用して、東京で調理した弁当や和菓子などのデパ地下グルメを、秋田の百貨店まで運ぶ「はこビュン」サービスを実験しています。早朝に調理された「なだ万厨房」や「日本橋弁松総本店」といった名店の一品が、昼のピーク時に合わせて秋田の百貨店の特設会場に運び込まれて販売されます。お客の評判は上々で、地方百貨店の集客策としても期待されています。ここまで遠距離でなくても、都心まで来る人が減ったのであれば、人が居るところまで商品を動かすのです。職人や設備まで移動するのは大変ですが、都心の生産力を活用して作った商品を、キャラバン形式で郊外に動かし販売するのであれば、十分可能性があります。交通の結節点である「駅」は物流の結節点としても機能するのです。郊外の駅周辺が期間限定で「白金ウィーク」や「神田ホリディ」というイメージで、郊外の食文化を豊かにしてくれるプチ都心に変身するのです。プチ都心を体験できるサービスが郊外駅で定着してくれば、食だけではなく他分野・サービスに拡大したり、体験消費だけでなく、伝承・展開していく機会を提供してはどうでしょうか。以前東急不動産の役員が「田園都市線沿線は、全てがファミリー対応になっていて、シングルには居心地が悪い。ただ駅空間だけは、渋谷の風を感じることができる」といっていました。リモートライフだからこそ、都心の風を感じる場所として、駅の目的地化が可能だと考えます。


最新記事

すべて表示

今なぜ シェアオフィスを考えるのか? シン・シェアオフィス ①

【内容】 自宅でも企業オフィスでもない仕事場の必要性 サードワークプレイス市場 シェアオフィスの可能性 1.自宅でも企業オフィスでもない仕事場の必要性 コロナ禍で普及したテレワークですが、空間面・設備面の課題から、自宅のワーキング環境では十分な生産性の確保が難しいと、実感した人も多いと思います。 とは言え、週に2〜3日の出社とテレワークとを併用する、「ハイブリッド勤務」の快適性を実感してしまったワ

駅と鉄道会社の未来 シン駅3.0 ⑩

【内容】 1. 顧客接点のさらなる活用 2. ライフスタイルの共創 3. 「共創」から「競創」へ 1.顧客接点のさらなる活用 セブンイレブンジャパンの2022年年間売り上げは約5.1兆円で、その60%をオリジナル商品が占めると言われます。 同社では、1日1300万人の顧客(POS)データを元に、単品・個店・客層別の情報を、サプライヤーとも即時共有し、商品開発や製造計画、在庫管理や受発注に活用されて

駅の進化の効用 シン駅3.0 ⑨

【内容】 1.小田急電鉄の挑戦 2.「三方よし」の必要性 3.「お客さま」から「参画者」へ 1.小田急電鉄の挑戦 小田急電鉄は、コロナ禍を経て、「社内ベンチャーの育成」に力を入れています。 「クライマー制度」という独自の社内ベンチャー制度で、社内からアイディアを募り、さまざまなプロジェクトを事業化しています。 特徴的なのは、「地域の課題解決」というスタンスで、デジタルを活用して、鉄道とは直接関係の

Comments


bottom of page