都心型医療モールが増え、患者が病院を選ぶ時代になっています。医療モールにもマーケティングが必要なのです。
アメリカでは1980年頃から、日本では1990年代から医療マーケティングという言葉が使われ出しました。通常4P[Product(製品)Price(価格)Place(流通立地) Promotion(販売促進)]の組み合わせによって自社の強みと課題とを分析・戦略化していく事が、マーケティングの王道ですが、製品と価格が定められ、販促が規制される病院業界におけるマーケティングは、Place選定及びこれにまつわるアメニティ環境に注力される事になります。医療モールの開発に当たっては、診療科目の市場及び競合調査などはもちろん実施するのですが、立地勝負となると中心市街地の空洞化という動向を受けて、より良い立地での最新スペックで開業する後発開発が可能になり、所謂「後出しジャンケン」状態で、既存施設が不利になり、淘汰されることが繰り返される状況になります。
そこで顧客満足とライフタイムバリューというアプローチはできないでしょうか。医療モール本来のポジショニングを踏まえると、より高度な検査や治療、手術、入院が必要な場合に対応し、大病院と緊密に連携しておくことは、早期発見、早期治療により患者の負担が軽く済むことはもちろん、医療モールの回転率向上とともに、信頼を高めますし、国民医療費の軽減、社会資本を活用コスパも高くなると考えます。
従来は情報の非対称性から、医療に関しては「任せるしかない」状態で、知名度やブランドに頼るしかありませんでしたが、医療モールの役割を明確にすると、高度な対応が可能な大病院との連携を前提に、できる限り気軽に訪れ、早期発見できる「診療の質」の提供が有効であるがわかります。
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