top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

次世代医療モールの時代⑧ 商業施設との連動・相乗

商業施設にはこれまでにも都市型の医療モールが併設されていましたが、大抵は上層階のテナントが抜けた跡を埋める形になっています。いわゆる「埋めグサ」です。年間数百万〜数千万人を集客してきた商業施設にとって、10人/時間の診療室10室を備えた医療モールがあっても、1日10時間で千人程度しか集客できず、シャワー効果とは言えない存在だったからです。ところがオンライン1stの時代になり、ショッピングの魅力が大きく減退し、リアルに出かける目的性・必然性の高い施設が求められるようになり、医療モールの存在感が大きくなりました。(株)スマートメディカルは、地域の診療科目調査はもちろん、法人化や高度医療機関との連携など、マネジメントされた医療モールの構築に努めてきました。商業施設と連携した医療モールを有効に機能させるには、動線や給排水設備などが課題になります。錦糸町パルコにスマートメディカルが開業した医療モールは、独自動線を備えることで、夜間など一般とは異なる診療時間にも対応でき、高稼働率を維持しています。食品スーパーなどの日常的な買い物機能が併設する商業施設との連動は、乳がん検診が40%と先進国最低の日本女性の受診率の向上を図るためにも非常に有効と言えます。

さらに立ち寄り性を強化し進化した形態が、大阪心斎橋パルコの「Welpa 」です。東急ハンズの健康フロアの一画にあり、カフェを併設し、「フェムテック」系物販・サービスをワンストップで提供しています。錦糸町も心斎橋もパルコ内の店舗や近隣商業施設の女性スタッフの「かかりつけ医」的な存在になっていると言います。このあたりに次世代医療モールのロールモデルがあるのではないでしょうか。



最新記事

すべて表示

築地の魅力 築地アップデート ③

【内容】 築技(つきわざ)とは 築地の「目利き文化」 「築技」誕生のメカニズム       1.築技(つきわざ)とは 「築技」とは、築地市場の豊洲への移転後も、築地本来の魅力を残す目的で、NPO法人「築地食の街づくり協議会」が展開するプロモーションの呼称です。...

食品流通の仕組みと動向 築地アップデート ②

【内容】 食品卸業とは 食品卸業の役割 卸売市場の転換期     観光客で賑わう「築地」が、なぜ危機的状況なのか? 「築地」の複雑な特徴を明らかにするために、食品流通の仕組みと動向を整理します。 1.食品卸業とは 食品卸業とは、生産者から食品を仕入れて、小売業者に卸す(販売...

今なぜ「築地」なのか?築地アップデート ①

【内容】 SOS「築地」 築地の歴史 築地の現在地       1.SOS「築地」  築地場外市場(以下「築地」)は、「美食の街:東京の台所」としてインバウンド客に大人気で、連日朝早くから観光客であふれています。 一見、大繁盛で皆が羨む光景ですが、その裏で「築地」の本業の疲...

Comments


bottom of page