top of page
検索
執筆者の写真admin

街のコンテンツ・ブランディング ①

量の経済性の次

コロナ禍を経てテレワークやネットショッピングが浸透し、仕事も買い物もネットで済ませるライフスタイルが定着しました。もちろん全く出勤しないわけではないけれど居住地の選択肢が広がり、人口減少社会において「選べる生活&選ばれる街の時代」になった訳です。そして移動の手間を掛けてまで出かける「リアル都市の価値」が真剣に問われているのではないでしょうか。

これまで都市の基本原理とされてきた「量の経済性=大量集積&集客モデル」の見直しが不可欠になっています。最新の店舗を揃えたより新しいスペックの巨大複合開発で年間数千万人を集客するという成功の方程式の終焉です。一過性ではなく継続的にどれだけ「その街のファン」を育むことができるのか?オンラインでの関係性を基盤にした新しいビジネスモデルが求められているのです。

これまでの都市開発は常に「後出しジャンケン」と言えました。人口減少を踏まえた都市部の再開発は、より利便性の高い場所で、よりハイスペック・最新機能のビルや店舗を開発することを可能にしてきました。新しい都市開発ほど魅力があった訳で、一種の「無限競争」とも言える状況でした。しかし「移動・交流/集積・集客/一律・一斉」価値のシフトに伴い、「量の経済性」による集客型の都市開発ではなく、オンラインを基盤にして「その街のファン」を継続的に育む仕組みが有効になると考えます。アートや伝統芸能はもちろんのこと食やファッション、音楽からアニメ、ゲームなど都市を舞台に展開される様々な「文化」が、オンラインを通じたコンテンツパワーとして競争力を持ち経済性を発揮する時代の到来です。

最新記事

すべて表示

【方策1】時間シェア 多次元開発 ⑤

【内容】 時間価値の視点 夜時間の魅力と課題 夜市による時間シェア       1.時間価値の視点 以前 東京都心のビジネス街にカフェチェーンを誘致する時、「都心でもビジネス街では、週7日のうち土日の2日間の売り上げが立たないので難しい」と言われてしまいました。...

基本方針 多次元開発 ④

【内容】 これまでの論点整理 今後の課題と可能性 基本方針と5つの施策     1.これまでの論点整理 基本方針を設定するために、これまでの論定を整理します。 都市開発の市場環境では、人口減少に加えて、コロナ禍を経た都心の商業・オフィスニーズの減退という 需要環境...

不動産業の歴史 多次元開発 ③

【内容】 近世の不動産業 近代の不動産業 戦後の不動産業     1.近世の不動産業 不動産業の歴史は古く、2500年前の古代ギリシャには、「不動産」や「抵当権」の概念があったという記録が残っています。 当時からあった土地には、「所有権者」を示すために石でできた杭が打たれて...

Comments


bottom of page