top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

街のコンテンツ・ブランディング ③

コンテンツ・リーグの効用

各都市の特性や潜在力を踏まえたテーマによる「コンテンツ・リーグ」は都市の文化的魅力を顕在化し、ファンを育むとともに、街の文化資産としてオンライン上にストックされていきます。サッカーのリーグ戦同様に名勝負やゴール場面、ベンチ裏の様子、選手インタビューなど様々な編集・スピンアウトしたコンテンツ利用が可能な資産になります。さらにリーグ戦形式での対戦が定着すれば、より強化・進化させるためにチーム内での協力、共同研究をはじめアートやテクノロジーなど他分野との連携による研鑽も進むのではないでしょうか。

サッカークラブの収益は①チケット収入②広告スポンサー収入③放映権収入(+物販収入)に大別されます。最先端とされる欧州のサッカークラブでは③放映権収入が過半を占めています。彼らはスタジアムの観客チケットを柱とした集客ビジネスではなく、メディアにコンテンツを有償提供するコンテンツビジネスに移行しており、さらにブランドビジネスを標榜しているのです。

都市においてもBeyond コロナの視点に立てば、物理的な観光・集客量を求めるだけでなく、オンラインを基盤としてコンテンツ価値を高める戦略が必要なのではないでしょうか? このように視点を変えると交通利便性や容積率の追求だけでなく「ストーリー価値」が評価されるようになります。赤坂離宮前の「虎屋本店」は10階建ての近代的なビルから自然素材をふんだんに使用した4階の建築に建て替えられました。KADOKAWAは飯田橋の本社を移転し、本棚劇場などの文化施設を含む「ところざわサクラタウン」を開発しました。それぞれ自社のDNAをふまえ将来に向けたサスティナビリティを考えた上で強みに磨きをかける選択だといえます。東京大学の小泉先生が指摘される「これからは真実性(相応しさ)と歴史性(サスティナビリティ)とが重視されるようになる」の好例で、ストーリーを纏ったリアルな建築をショールームのように生かしてオンライン上でファン(=経済価値)を獲得していくわけです。


日本の人口構成や経済成長力を踏まえれば、国際的にも評価されるコンテンツ・リーグによる文化都市への価値シフトが求められるのではないでしょうか。

最新記事

すべて表示

【内容】 大型ライフスタイルショップの限界 ライフスタイルカフェ& ARショップ ライフスタイル・ウォール& ARショップ 1.大型ライフスタイルショップの限界 商業施設が「顧客接点プラットフォーム」になると想定した場合に、売り場にはどのようにAR技術が活用できるのでしょうか。 ファッション店舗は、来店機会を増やしたり、差別化のために世界観を提示する手段として、アパレルだけでなく、雑貨やインテリア

【内容】 マグネット ARの考え方 街場 ARの考え方 1.マグネット ARの考え方 商業施設のマグネットとなるコンテンツを、AR体験で制作するには、フックとなるリアル・アイコンが必要です。 「ストレッチ」を楽しむ場合は、寂れた雰囲気のリアル空間をフックにして、ARコンテンツとしてゾンビやモンスターを仕込めば、ホラーハウスになりますし、祝祭感のある環境を舞台にして、アートフェスやカーニバルを演出す

【内容】 提供価値のアップデート 事業構造のアップデート 顧客接点プラットフォームの構造 1.提供価値のアップデート 従来の商業施設は、ショッピングセンターと呼ばれ、「モノを買う楽しみ」で人を集めていました。 休日のレジャーの一つがショッピングでした。 できるだけ沢山の商品を揃え、フードコートやカフェなど滞留を促す快適環境を整える事によって、「購買機会」という価値をワンストップで提供してきたのです

bottom of page