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  • 松岡一久

街のコンテンツ2

横丁の価値とは何でしょうか?単に昭和レトロを懐かしむ気持ちだけではないと思います。


①まず建築の基本使命の一つにある「街の記憶継承」があると思います。

駅舎や校舎がわかりやすい例ですが、建築にはその場所と自分たちの体験を重ね合わせた記憶の舞台としての役割があります。

多くの人たちと関わってきた横丁はそれぞれの人たちの記憶の舞台の集積体としての価値があるのです。


②次に都市開発に伴い建築されるビルがどんどん巨大化しています。

単にオフィスや住宅だけでなく、商業施設や文化施設などを高度に盛り込んだ複合都市開発は巨大化せざるを得ない訳です。

巨大化しかつ計算され尽くしたピカピカな建築・都市に息苦しさ、退屈さを感じるのは自分だけではないはずです。

横丁には「人の居場所」として価値があります。


③さらに近代的な建築・都市が鉄とコンクリートで覆われ、目に見えないデジタル技術が施されていくほど人間の持つ五感は萎えていくのを実感します。

戦後の闇市を起源にすることが多い横丁には、単なる木製インテリアだけではない、色、匂い、熱、音、湿り気、地、汗、涙などの「五感を覚醒」させるリアリティがあります。


④最後に2019 年7 月の横丁部会で登壇いただいたオープン A の馬場正尊さんとのディスカッションの中では、横丁は単に飲み食いするだけではなく、店主のこだわりと人間模様に惹かれるのであれば、一人ひとりのライフアーティスト(生き方の表現者」の表現舞台としての価値があるという認識共有を得ました。


横丁は新築される複合都市開発にはない、これだけの「都市の文化価値」を備えているのです。

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