検索
  • admin

観光産業3.0⑨ オンライン観光の可能性

コロナ禍で消失したインバウンド客に対する代替サービスとして、注目を集めているのが「オンライン観光」です。日本の観光地や食を紹介する海外向けのオンラインツアーが、旅行会社、インバウンド体験ツアー運営会社、海外向けメディア、バス会社、 DMOなど様々な事業者によって開発・販売を開始されています。基本的に英語などを話せるツアーガイドが、用意された映像に合わせて観光地の施設、自然、グルメ、アクティビティ、日本文化などを配信ツールで紹介することが一般的です。

インバウンド対応のオンラインツアーは3つの可能性を持つと考えます。

1.リアルツアーのきっかけ

ツアー参加者へのアンケートでは、コロナ回復期には是非日本を訪問したいという声が多いようです。オンラインツアーの参加をきっかけとして、東京〜関西というゴールデンルートだけでなく、日本各地の自然やグルメ、文化や体験への関心が高まり、「行ってみたい」という思いが強まることが最大のメリットになると考えます。もちろんリアルツアーにおいて、オンラインによるフォロー解説も有効になります。

2.世界中から集客

時差の問題はあるものの、世界中をターゲットにすることが可能です。またお年寄りや足が不自由な人など、リアルな旅行ではハードルが高いゲストの受け皿にもなります。さらには離れた場所に住む家族、親戚やカップルが、同じツアーに参加して日本を楽しむことも可能です。

3.越境 ECなどの物販連携

オンラインの特性を生かし、ECサイトとの連携も有効だと考えます。ツアー映像で紹介した特産品の購入希望者を、越境 ECサイトに誘導することで、収益の拡大と顧客満足度の向上につながります。

オンラインツアーは単独での事業化は難しいですが、コロナ禍からの回復後の日本のインバウンド観光をアップデートさせる強力な武器になると考えます。これからのユーザーは「失敗を嫌い」ます。対象地の口コミ情報を確認し、オンラインツアーで予行演習をした中から、選りすぐった場所でリアル旅行体験をするようになるのでは無いでしょうか。もちろんツアーガイドのキャラクターも大切ですが、現地の人たちとのやり取りなどキメ細かな情報を得た上で判断するのです。派手な宣伝で第一印象を良くし、「観る」「買う」中心に客単価を高める「恋愛型」スタンスではなく、オンラインツアーとその後のリアルツアーを経て越境ECで関係を続けると言うように、信頼を築きライフタイムバリュー(LTV)の最大化を図る「結婚型」の事業スタンスが必要です。

最新記事

すべて表示

都市開発において非常に重要な役割を担う低層部の「街ぎわプレイス」ですが、通常は総合設計制度などを活用するために公開空地として計画されます。 営利利用が認められない為に、ビル風が吹き抜ける寒々しい公開空地がほとんどではないでしょうか。最近になって、公開空地のあり方について議論され始め、ランチタイムにキッチンカーが営業していたり、外向きのカフェが設けられる事例も見られますが、その場所をどのように活用す

都市開発において当然ですが「建築のあり方」は特に大切です。 ですから設計コンセプトの手がかりとなる「企画・構想(開発)コンセプト」を明確に示す必要があるのですが、逆の流れになっているのが現状ではないでしょうか。 開発プロジェクトは「取り敢えずボリュームスタディしてみる」と称して主要用途を容積率一杯に作った計画からスタートします。何度か、このボリュームスタディを目にしている内に、プロジェクトチーム内

私たちは、コンセプトの抽出にあたって、共創ワークが不可欠だと考えます。共創ワークとは、プログラムに沿った関係者とのグループディスカッションを指します。 共創ワークでコンセプトそのものは抽出できませんが、その前提となる「目指すべきゴール」「現状と事業条件」などの共有を通じて「課題」が明確になります。それに加えて「地域の潜在性・自分達の DNA」の再認識プロセスが非常に重要です。 これまでのように、マ