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輸出拡大に向けた工夫: SAKE UP ③

【内容】

1.日本酒@ワインコミュニティ

2.日本酒のリデザイン

3.新しい飲食文化




1.日本酒@ワインコミュニティ

IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)を始めとして、世界の名だたるワイン・テイスティング大会の多くが、日本酒部門を設置しています。

世界中のワインコミュニティにアプローチすることで、繊細な日本酒の味が、評価されやすい状況になっています。

ワインと同等の高価格な日本酒を作って、ハイブランドのホテルやレストランに提供するスタイルが、定着しつつあるのです。

高級ブランド「SAKE HUNDRED」は、最も高価な古酒「現外」20万円を筆頭に、2〜3万円台をボリュームゾーンとした日本酒をラインナップしています。

和食レストランだけでなく、海外でも日本酒が買える小売店やネットショップが増え、裾野が広がってきています。

このような工夫の積み重ねにより、先に示したように平均輸出単価は、この10年で2倍以上になっているのです。


2.日本酒のリデザイン

ワインコミュニティにアプローチしていくため、海外で好まれる日本酒には、一定の特徴があるようです。

アルコールを抑えワインに似た味わいにすることによって、味付けが濃く脂質が多い西洋料理にも、合うように工夫しているのだといいます。

軽くてフルーティな日本酒が、人気の中心ですが、スパークリング日本酒も伸びてるようです。

「ドン・ペリニヨン」の醸造責任者だったリシャール・ジョフロワ氏が、「シャンパーニュ造りの手法を使って、世界で愛される日本酒を作りたい」として「IWA」という日本酒ブランドを立ち上げました。

2021年には、隈研吾氏設計によるIWAの酒蔵が、富山県白岩地方に完成しています。

日本酒のラベルを英文字にすることを始めとして、ラベルのデザインをフランスのアーティストに依頼したり、ワインボトルに充填する事例も出てきています。

輸出に向けた日本酒のリデザインです。


3.新しい飲食文化

飲食スタイルも、猪口やぐい呑みなどの伝統的な酒器よりも、ワイングラスで気軽に楽しむスタイルが定着しています。

ワインと同様に、食事とアルコール飲料とをペアリングするという消費文化(=マリアージュ)の提案も盛んです。

マリアージュは、レストランによって異なるメニューに応じて、多様な種類の商品需要を生み出しています。

またワインのように「アッサンブラージュ(=ブレンド)」による価値化も考えられます。ボルドーワインでは、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどのいくつかの品種を混ぜ合わせることで、深みのある味わいを生み出すことが一般的です。

日本酒においても、先の「IWA」を始めとして、アッサンブラージュによる新しいブランドづくりの試みが生まれています。


日本酒の海外展開のためには、このような様々なトレンドと工夫を踏まえた、商品づくりと販売方法とが必要になってくると言うことです。

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