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道の駅の課題 シン・道の駅 ⑤

執筆者の写真: admin
admin
2025年1月27日
読了時間: 3分

【内容】

  1. 市場環境の課題

  2. 事業構造の課題

  3. 「三セク事業」の二の舞

 

 

1.市場環境の課題

地域活性化の拠点として、順調に数を増やしてきた「道の駅」ですが、1000駅を越えると、流石に隣接する道の駅と商圏が被り、売り上げが低迷する地域も出てきているようです。

前述した通り、道の駅の3割は赤字だと言われる状況です。

一般に道の駅の商圏は半径10キロといわれますから、隣接する道の駅との距離約20kmは、一般道での平均速度を時速40kmとすると、車で約30分の距離になります。

国土面積を現状の道の駅の数(約1200)で割ると、300㎢程度になります。これは半径10キロの商圏と同等になり、マクロ的には飽和状態であるといえます。

実際は交通量の多い道路沿いに設置していくことになりますので、さらに競合の道の駅と市場を食い合うことになります。

2022年時点で1駅あたりが狭い順では、香川県(104㎢)、和歌山県(135㎢)石川県(161㎢)となり、平均商圏300㎢の1/3〜1/2程度の商圏しかありません。

また高齢化も課題です。

生産者の高齢化は、道の駅にとどまらず我が国の農業全体が抱える深刻な問題で、農作物の供給の継続性が危ぶまれています。

さらに道の駅の利用者でも、リピーター顧客になっているのは、戦後のベビーブーマー前後のシニア世代になっています。

今後この世代の絶対数は減少が想定されますし、それ以降の世代は徐々に人口自体が減っていくことに加えて、彼らの家族構成やライフスタイルも前の世代とは異なるため、道の駅の顧客の減少は極めて厳しい状況になると予想されています。

 

2.事業構造の課題

道の駅は、公設民営施設です。

公共的な性格を持つ道路利用者等の「休憩機能」や、道路情報や地域の観光情報などの「情報発信機能」などは、効率性や将来を見据えた費用対効果を勘案しながら、広域的な行政判断によることが好ましいと言えますし、こうした「公共サービス」に対する費用は公的な資金が充てられるべきです。

一方で地域産品の販売や地域の食材を利用した飲食サービスの提供などは、基本的には私的な「経済活動」といえます。

この「経済活動」の部分については自立が求められて然るべきだと考えます。

初期投資などの負担が大きく、立ち上げ当初は赤字であっても、将来的には黒字転換し、自立できるビジネスプランとその実行力が必要になります。

ところが現状の道の駅では「公共サービス」と「経済活動」部分とが混同され、私的な経済活動を含めて、何もかも公的な資金頼みになっている状況ではないでしょうか。

「公的サービス」と「経済活動」との峻別と、私的な経済活動の自立が不可欠だと考えます。

経済活動の自立を実現することが、集客の努力と工夫とを促し、道の駅に真の活気と賑わいをもたらし、地域の活性化拠点として機能につながるのだと考えます。

 

3.「三セク事業」の二の舞

道の駅は基本的に自治体が事業主体となって、施設そのものは税金によって整備されていきます。

立派なものを支援して作って、運営でもそれほど儲からなくても大丈夫であれば良いような気もしますが、健全ではない事業構造といえます。

前述のような市場環境をよそに、公設民営の道の駅の設備投資は、既存競合との差別化を念頭に、どんどん加熱・巨大化しているのではないでしょうか。

公設民営の罠として、採算度外視の施設は維持管理も大変で、結局どんどんと税金を追加して運営を継続するようなことになります。

いつか見た「バブル期の三セク施設」と同じ構図ではないでしょうか。

 
 
 

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