top of page
検索

都市づくり5.0 Beyondコロナの都市づくり50のヒント(18) 「会食」価値を極める

執筆者の写真: adminadmin

更新日:2021年7月26日

Ⅰ 「食」=美味追求? /Ⅱ 会食の価値と可能性 /Ⅲ 次世代の「会食」価値づくり


Ⅰ 「食」=美味追求?

2021年1月31日に東京都葛飾区柴又にある川魚料理の老舗料亭「川甚」が閉店しました。コロナ禍で各地の飲食店が苦境に喘ぐ中、映画「男はつらいよ」の舞台にもなった名店の閉店です。老舗を支えるのは主に中高年客で、感染を恐れて外出しなかったり、大人数の宴会を取りやめたりする客が多く、特に打撃を受けてという事です。政府や東京都の支援事業への対応にはサイト登録などが必要で、老舗関連のネットを使えない店や客は恩恵に与れない状況と言えます。

料亭とは、主に日本料理を出す高級飲食店で、企業の接待・宴会や商談、要人や政治家の打ち合わせなどに使われます。日本文化の結晶とも言え、料理・器・数寄屋造・日本庭園・美術品・芸妓・邦楽などの正統派の日本文化を堪能できる場所になってきました。

料亭はもう時代遅れなのでしょうか?「食」は単に自分が美味しいものを食べることがゴールなのでしょうか?「グルメ」として取り上げられるお店は、厳選した素材に手間をかけ、美味を追求するプロと言えます。でも少し間違えると、いつの間にか単一価値だけを求めるようになってしまいます。よく例に出される「時計」で考えてみると、当初はスイスが精密機器のメッカとして君臨していましたが、セイコーなど、正確さ・使いやすさ・大量生産を得意とする日本企業に圧されました。事業継続の方策を必死で模索した結果「時を刻む宝飾品」としての価値を極めたブレゲやリシャール・ミルなどの創造にたどりついたわけです。「カメラ」や「自動車」についても同様の流れが見えます。山口周氏の言葉を借りるなら「役に立つ」から「意味のある」価値提供に舵を切り、新しい市場を形成した事例です。

食の世界でも「美味の追求」だけではない、価値づくりにも目を向けるべきだと考えます。

それが料亭に代表される他人との関係機会として外食ではないでしょうか。デート、ビジネスディナー、レセプション、公邸会食など、視野が狭くなりがちな現代のネット社会だからこそ必要な、リアル空間での「会食」価値だと考えます。


※【Ⅱ 会食の価値と可能性 /Ⅲ 次世代の「会食」価値づくり】につきましてはnote にて購入いただけますと幸いです。

最新記事

すべて表示

道の駅の歴史と沿革 シン・道の駅 ③

【内容】 「道の駅」という発想 「道の駅」の沿革 「道の駅」第三ステージ     1.「道の駅」という発想 今は馴染みのある「道の駅」という名称ですが、その発端は1990年1月に広島市で開催された「中国・地域づくり交流会」で、参加者から...

道の駅とは シン・道の駅 ②

【内容】 道の駅とは 道の駅の整備状況 道の駅の方向性     1.道の駅とは 道の駅とは、一般道路におけるサービスエリア的機能を備えた公設民営施設です。 市町村もしくはそれに変わる公的な団体が設置する施設で、道路を利用する人が気軽に立ち寄れ、快適で安全な道路交通を提供する...

今 なぜ「道の駅」なのか? シン道の駅 ①

【内容】 登録件数1200ヵ所を突破したヒット施策 進化する道の駅 「道の駅」のあり方検討     1.登録件数1200ヵ所を突破したヒット施策 郊外の幹線道路をいくと、よく見かけるようになったのが「道の駅」です。 「道の駅」とは一般道路に整備された「高速道路のサービスエリ...

Comments


bottom of page