top of page
検索

都市づくり5.0 Beyondコロナの都市づくり50のヒント(26) 次世代の駅前広場

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2021年8月11日
  • 読了時間: 2分

Ⅰ駅前広場の有効性と現状  /Ⅱ「心地よく滞留できる」駅前へ / Ⅲモビリティを活用した駅前広場


Ⅰ 駅前広場の有効性と現状

交通結節点となる駅には、鉄道客がバスやタクシーの乗降に利用するために、駅前広場という名前の交通ロータリーが、整備されることが一般的です。バスやタクシーが並ぶ交通ロータリーのために、駅前商店街とは50m近く離されてしまいます。賑わいをつなげる距離は30mが限度と言われるので、駅と商店街とは分断され賑わいはつながりません。

私たちが開発に参画した名古屋の「アスナル金山」は、金山駅前に複合商業施設を開発するプロジェクトですが、行政の主導で駅と開発敷地とを分断していた道路が廃道されたのです。その結果駅と施設とがダイレクトにつながり、鉄道利用客がストレスなく駅から滲み出してくることが可能になりました。このインパクトは非常に強力で、アスナル金山は待ち合わせやちょっとした立ち寄りに利用され、賑わいが自然に生まれました。施設中央の広場で開催されるイベントは常に大盛況で、アスナル金山は名古屋におけるイベントのメッカになったのです。 

駅前広場が変われば街は変わります。バスやタクシーに乗り換える交通ロータリーを整備するのであれば、駅前にある必要はありません。近年の駅開発では田園調布駅や天理駅など、交通ロータリーを駅前以外の場所に移転させ、新しい賑わい拠点として駅前広場を整備する動きが見られるようになってきました。これからの駅前広場は、バスやタクシーの交通ロータリーと棲み分けして検討・整備すべきではないでしょうか。交通ロータリーは街で一番もったいない場所だと考えます。


※以下の【Ⅱ「心地よく滞留できる」駅前へ / Ⅲモビリティを活用した駅前広場】につきましてはnoteにて購入いただけますと幸いです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
日本的OSはどのように形成されたのか 日本的OS ④

【内容】 自然との共生から始まった「関係性の思想」 武家の倫理と共同体の協調 二重構造と現代的再評価     1.自然との共生から始まった「関係性の思想」 日本的OS──すなわち「空気を読み、相手を察し、秩序を保つ非言語的な社会システム」は、けっして近代に偶然生まれたもので...

 
 
 
揺れる世界、穏やかな日本“見えない秩序” 日本的OS ③

【内容】 怒りと正義が衝突する世界 なぜ日本は「安定」して見えるのか 日本的OSは“思想資本”になり得るか     1.怒りと正義が衝突する世界 現代の世界は、まさに「揺れている」と表現すべき時代に突入しています。 ウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナの紛争、米中による経...

 
 
 
日本的OSとは何か 日本的 OS ②

【内容】 「見えないのに、確かにある」――OSとしての日本文化  「心地よさ・信頼・関係性」――三本柱から成るOS構造 世界が見直し始めた「日本的OS」の価値     1.「見えないのに、確かにある」――OSとしての日本文化...

 
 
 

Comentários


bottom of page