Ⅰ「毎日立ち寄る駅」から「わざわざ行く駅」へ /Ⅱ ライフアーティスト・ミュージアム /Ⅲ 多極連携ミュージアムへ
Ⅰ 「毎日立ち寄る駅」から「わざわざ行く駅」へ
人口減少、少子高齢化が顕著になり、地方はもちろん首都圏でも都心のターミナル駅を別にすれば、都心から50キロ圏の郊外部を中心に、少しずつ乗降客が減少してきていました。2030年には定期券客が3割減少するとも想定されていました。2020年にその「想定した未来」が一挙に押し寄せてきたのです。コロナ禍に伴う緊急事態宣言はリモートワークを定着させ、毎日の通勤に伴う移動の無駄と不快感を再認識させたのです。このシフトは不可逆的で、都心への出勤は週に2〜3日に止め、残りは在宅ワークというハイブリッド勤務が現実的になるのではないでしょうか。
これまでの駅は通勤・通学の途中で必然的に「毎日立ち寄る場所」でした。ですからよく言われるように、駅ビルでは一般的な商業施設に比べ、「集客」にスペース・コストを割く必要がなかったのです。
その駅が「わざわざ行く場所」になってしまいました。敷地が手狭な上に、鉄道関連施設や鉄道客動線を確保するため、ゆとりのない駅ビルで「集客」する工夫が求められるようになっています。しかも従来のキャンペーンやイベントでは、もはや集客できない市場環境です。
「駅1.0」は鉄道客対応の駅でした。「駅2.0」は鉄道&買い物客対応の駅でした。今後はその先の「駅3.0」化が求められているのです
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