Ⅳ 横丁の計画作法 / Ⅴ具体的方策 /Ⅵ 次世代横丁
Ⅳ 横丁の計画作法
前節までの工夫により継承される横丁の計画する上で、留意すべき作法とはどんなものなのでしょうか? 単に昭和レトロのデザインでないとするなら「どうすれば横丁になるのか?」私たちはハード、ソフト各々4点を抽出しました。
[ハード面の作法]
① まず「ワザワザ行くのではない動線立地」を挙げました。 横丁のお店は目的意識がなくてもちょっと立ち寄れるという意味で、空中階や地下ではなくグランドフロアにあるべきです。駅の脇などの立地で行き止まりではなく、通り抜け動線になっていることが重要です。
② 次に「個人店のスケール感」があります。 横丁のお店の魅力は店主を始めとした、濃密なコミュニケーションに有るわけですから、お店の規模は基本的には店主の目が届くカウンター形式で、個人オペレーションが可能な広さで有る必要があります。
③ 次に「街路との一体感」があります。 できれば「開け放ち形式」が理想的ですが、店内の様子がわかるオープンな店構えが必要です。その意味で引き戸形式が多い気がしますし、店前の立ち飲みスタンドなども有効だと思います。
④ 最後に「集積性」です。 その横丁に行けばとりあえずどこかに入れる何とかなるという安心感と、2~3軒の飲み歩きが楽しめる店数が必要です。向こう三軒両隣という言葉がありますが6~ 12 店程度の集積は必要です。
[ソフト面の作法]
① まず「店主の個性」が挙げられます。もちろん美味しいに越したことはありませんが、料理の味以外にも店主のキャラクターやこだわりの表出が必要です。その個性に集まる客コミュニティの雰囲気がお店のイメージそのものになります。
② 次に「専門店連携」が挙げられます。一店で何でも揃え、客を囲い込んでしまうのではなく、「焼き鳥」「おでん」など専門店として住み分けながら、飲み歩き・はしご酒ができるようお互いに送客し合い連携していく必要があります。
③ さらに「女性客でもOK な安心、清潔感」も必要です。 ピカピカの新品である必要はありませんが、水周りの清潔感とトイレを中央に配置するなど見守られる安心感を得られる工夫を施す必要があります。
④ 最後に「ホーム感」です。 職種や会社での職位など関係のないフラットな関係と、出身地や趣味などを介して、客がそれぞれに立ち位置が見つけられることが重要です。さらに埋没できる心地よさも大切なようです。_
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