top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

都市クオリア指標の高め方① 「住宅・宿泊機能」による多様性拡張

都市クオリア指標とは、 私たちの研究会「FIACS」 で研究・策定している次世代の都市評価指標です。都市ユーザーの「幸せ実感」を基点にして、都市の多様な感性と質感とを反映するクオリア指標では、「幸せ実感」を拡張する要素として「多様・変化・交流」を重視しています。オフィスと商業機能が中心となる都心において、住宅・宿泊の整備は多様性の拡張に整合しますが、単純な宿泊特化のビジネスホテルや高級タワーマンションに止まらない工夫が必要です。住宅・宿泊機能を孤立させず周辺施設と連携して相乗作用を発揮するには、住宅であれば部分的にでも「ソーシャルレジデンス」を導入してはどうでしょうか。キッチンやリビングの共有から生まれるプチ共同生活スタイルは、様々なイベント活動を通じてコミュニティに発展する可能性を備えています。神田神保町の「ワテラス・学生まちづくりマンション」のように、エリマネの担い手として位置付ける事も有効だと考えます。同じように宿泊施設であれば「セカイホテル」のように、街なかのレストランや温浴施設と連携した街まるごとホテル発想が有効です。星野リゾート「OMO」の OMOレンジャーのように街なかのヒト・場所・情報を積極的に探索・連携する担当者がいると、宿泊者と街とのつながりの仲介役になります。

人間は自由と利便性とを十分に提供してしまうと、面倒な人付き合いを避け自分勝手な方に流れ、バラバラになってしまいがちです。住宅・宿泊機能を計画する上では自立・完結させてしまうのではなく、「街と連携する状況や役割を仕組んでおく」ことが、地域と関わる行動の背中を押す働きになり、結果的に出会い・発見を通じた感動や幸せ実感につながるのだと考えます。


【「住宅・宿泊機能」による多様性拡張:街と連携する状況や役割を仕組んでおく】

最新記事

すべて表示

【内容】 提供価値のアップデート 事業構造のアップデート 顧客接点プラットフォームの構造 1.提供価値のアップデート 従来の商業施設は、ショッピングセンターと呼ばれ、「モノを買う楽しみ」で人を集めていました。 休日のレジャーの一つがショッピングでした。 できるだけ沢山の商品を揃え、フードコートやカフェなど滞留を促す快適環境を整える事によって、「購買機会」という価値をワンストップで提供してきたのです

【内容】 AR実践例での検討 ユーザーの「ハマるマインド」の必要性 フックとしてのリアル・アイコンの必要性 1.AR実践例での検討 私たちの研究会で、AR関係企業などの実践者を招き、現状でのARコンテンツの実践例で、その可能性を検討した事があります。 飲み屋横丁の事例:飲み屋横丁を舞台にして、路地を歩いていると、お上さんの声がけやおすすめメニューなどが、表現される映像です。 リアルで店内を覗くのは

【内容】 1.裏ショップの可能性 2.リアルを起点にしたイメージ拡張 1.裏ショップの可能性 AR技術を活用すれば、「リアル店舗はどのように魅力化できるのか?」について、(株)エイベックスでプロデューサーを務める中前省吾氏に伺ったことがあります。 彼は「アンダーグラウンド東京」というコンセプトで、「多彩な裏ショップ」を説明してくれました。 100円ショップの裏では、100万円以上の高級品を販売する

bottom of page