top of page
検索

都市クオリア指標の高め方② 「教育・福祉機能」による多様性拡張

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2021年11月4日
  • 読了時間: 2分

都市づくりにおける教育・福祉機能の重要性は以前から認識されてきましたが、単に学校やシニア施設を整備しただけでは、地域とは関係なく閉じた世界で孤立してしまいます。都市のビジネスとは全く異なる論理で活動していく教育・福祉機能では、学生やシニア、障害などの当事者がそこに居るだけではなく、この人たちとの関わりの中で視野と思考を拡張していく事が、街のユーザーの幸せ実感(=生産性向上)に寄与する訳です。都市づくりにおける教育・福祉機能は、誤解を恐れずにいうと「弱者との交流機会」として極めて有効といえます。「まちの保育園」のように子ども達と地域との接点となるカフェやギャラリーが内包されていたり、「スワン・ベーカリー」のように障害者がスタッフとして働く店舗などが好例だと思います。以前京都に住んでいた時、京都の料亭やバーなどでは「学割」がある事を知りました。大学生はもちろん大学教員など学校関係者は割安で飲める訳で、金欠の学生たちには優しいルールといえます。京都の街の人たちが大学に対してリスペクトすると共に、若い時から一流の味と技に触れさせることで、将来の上顧客を育てようという意気込みを感じました。就活に企業インターンが必須になりつつあることも有効だと思いますが、「ハナラボ」のように(女子)学生の意見やアイデアを、地域課題の解決や企業のサービス開発に繋げる機能も面白いと思います。私は超福祉展の活動を通して、大手メーカー幹部から「障害者こそスーパーユーザーだ」という指摘をいただきました。彼らは競合他者との差異化に終始するのではなく、障害者の意見や視点を通して自社商品の新たな機能開発のヒントにしているそうです。

業界の論理やサラリーマン視点だけではなく、子どもや障害者をはじめ多様な視点で見つめ直す機会を持つことが、ダイバーシティやイノベーションの創出につながるのだと考えます。


【教育・福祉機能による多様性拡張:子どもや障害者をスーパーユーザーに見立てる事によるイノベーション機会づくり】

 
 
 

最新記事

すべて表示
方策1 シェアリング・プラットフォーム ネオ生業の時代 ⑦

【内容】 第一要件としてのシェアリング シェアリングの有効性 シェアリングの活用事例     1.第一要件としてのシェアリング ネオ生業は「遊び仕事」ですから、収益性は高くなく、通常の商業施設のテナント賃料を払えるわけがありません。...

 
 
 
基本方針 ネオ生業の時代 ⑥

【内容】 これまでの論点整理 プラットフォームの重要性と特性 ネオ生業プラットフォームの3方策     1.これまでの論点整理 組織社会の仕組みがますます巨大化・複雑化する中で、昔ながらの地縁も、昭和的な社縁もなくなり、根なし草状態の都市住民。...

 
 
 
推進のための課題 ネオ生業の時代 ⑤

「後ろめたさ」からの卒業 「日本的な謙虚さ」からの卒業 ベンチマークとしての「キッチンカープラットフォーム」     1.「後ろめたさ」からの卒業 日本人が副業としてネオ生業を始めるのに後ろめたさを感じる理由は、主に企業文化や社会的な価値観に根ざしています。...

 
 
 

コメント


bottom of page