top of page
検索

都市公園の未来 ⑧ Player ×拡張:お祭り広場

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年9月5日
  • 読了時間: 2分

都市の醍醐味は多様な人たちとの交流にあり、様々なコミュニティ同士が会合し、刺激し合える場づくりは、次世代の都市公園の重要な役割だと考えます。東京都立大学教授の饗庭伸さんが「これまで狭い室内にしか居場所の無かったオタク達が、秋葉原の広場に集まって踊っているのを見て、広場の重要性を認識した」とコメントされているように、コミュニティを拡張するには「お祭り広場」が必要なのです。

単に場所を提供するだけでは不足で「緩い連帯感と開放感」が必要で、「表現しても良い、声がけしても良い」と言うことを促す空気と機会が求められるのです。具体的には昔からある「祭りの設え」になります。祭りの場では社会的なヒエラルキーとは関係なしに、フラットになれますし、無礼講的に日常的なタブーが外され、祝祭感のある環境で踊るプロセスでトランス状態になり、弾けることができます。この祭りの設えが日常生活のフラストレーションを解消するガス抜きの仕組みとして機能し、共同体社会を維持できたと言われています。法被や浴衣などのユニフォーム的な設えによって、特別感とともに連帯感、フラット感を共有することができます。ハロウィンに限らず仮装や変身による開放は、昔から有効な手法だったのです。

「お祭り広場」として、祭りの設えを常設化するために、「富山グランドプラザ」がベンチマークになると考えます。富山に「グランドプラザ」ができてから「まちなか広場」という概念が定着しました。道路を廃道にして、新しい広場条例を作って、公園とは異なる独自の位置付けで管理する行政財産という方法を編み出されました。スケートボードそのものを禁止するのではなく、「見かけたらその都度声をかけて配慮してもらう」というスタンスが、先進的だと考えます。良し悪しを判断する理屈を大切にするという管理方針で、「行為」ではなく「程度」で声がけ基準を決めているということです。

祭りとイベントの違いは、参加者の主体性にあります。空間の祝祭性もさることながら、お客として観賞するだけでなく、参画者として盛り上げる自覚が重要です。お祭り的な位置付けのプログラム開催が、ユーザーと管理者との新しい関係を醸成していくのでは無いでしょうか。「お祭り広場づくり」は都市の魅力化方策の最右翼になると考えます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
方策3:マイクロパブリック 共体験デザイン ⑧

【内容】 第1章 マイクロ・パブリックの基本発想 第2章 具体的な仕掛けと設計要素 第3章 実装プロセスと効果測定   第1章 マイクロ・パブリックの基本発想 都市の開発や再生において注目されているのが、街区の中に「小さな共体験スポット」を配置するという考え方です。 これは「マイクロ・パブリック」と呼べる取り組みであり、大規模な広場や再開発のような華やかなプロジェクトではなく、街のあちこちに小規模

 
 
 
方策2:共体験アーカイブ&データ還元 共体験デザイン ⑦

【内容】 第1章 共体験アーカイブ & データ還元の基本発想 第2章 共体験アーカイブの具体的要素 第3章 効果測定と都市開発への意義   第1章 共体験アーカイブ & データ還元の基本発想 都市は単なる建築物や交通の集積ではなく、人々が日常やイベントを通じて共に体験し、その記憶を積み重ねていく舞台です。 近年の都市開発では、この「共体験」をどのように記録し、再提示していくかが重要なテーマとなって

 
 
 
方策1:共体験広場 共体験デザイン ⑥

【内容】 第1章 共体験広場プログラム化の基本発想 第2章 共体験広場の具体的なデザイン要素 第3章 効果測定と広場の価値創出   第1章 共体験広場プログラム化の基本発想 これまで広場や駅前空間、商業施設の共用部は「人が集まる場所」として位置づけられてきました。しかし近年の都市開発においては、単なる集客空間ではなく「人が共に過ごし、体験を分かち合う場」への転換が求められています。 言い換えれば、

 
 
 

コメント


bottom of page